第139話 プリクラでやりたいこと。悪魔の考え。

「うぉ~!意外とデカイゲーセンだね!」


「住宅街から出てきたからな。てか近くって言って15分くらい歩いたけど?」


「いや。15分歩いただけじゃん。」


「15分も歩かされたんだよ。」


「何?動きたくない系男子?健康に良くないよ?」


「そんな系統男子は知らねーな。」


「まぁ、一番近いゲーセンがここなんだから仕方ないじゃん?」


「じゃあ近いって言うな。」


「もう。文句言わない!ゲーセン楽しむの!」


「誘拐犯の台詞じゃねーな。」


もう何言っても無駄だから大人しくプリクラ撮ろう。でさっさと終わろ。終わ


「晃太くん!晃太くん!」


「……お前さ。何処掴んでんだよ?」


「え、髪。」


「何なの?DVでもする気か?」


髪の毛掴んで引っ張るとかDVとか暴力でしか知らないけど?


「DVは女の人が受けるヤツでしょ?もうっ!晃太くんたら!」


「そこじゃなくてさ。……まぁいいわ。とにかく髪を掴むな。一体何だ?」


「あのクレーンゲームの景品2個一気に落ちそう!」


「あ~、落ちそうだな。って何このキャラは……」


「マカロとらだよ?知らない?」


「何だそのマカロニみたいな名前は。」


「マカロンに体を吸収されたトラがモチーフの可愛いキャラだよ!」


「吸収されたって……その言葉が可愛くないんだが?


確かに体の半分マカロンに埋まってる。てか突き刺さってる……何のキャラだよ。


「でこのトラが欲しいのか?」


「欲しいというか落ちるから取って、って感じ!」


「感じ、じゃねーよ。……チッ、取ればいいんだろ?一回だけな?一回で終わるからな?」


嫌々ながらもクレーンを動かしその落ちそうなマカロンのトラに向けてアームをぶっ指す……っと



「スゴい!ちゃんと2個取れたじゃん!素晴らしい!」


「素晴らしいじゃねーよ。もう……ほらこれやるから。」


「あ、1個は晃太くんのだから。」


「はぁ?」


「だって同じ黒のマカロトラだし。同じモノが欲しかったから嬉しいよ!」


「俺は別にいらねーけどな。」


「さっ!プリクラ行くよ!」


話聞いてないなアイツ……まぁ、自転車の鍵にでもつけるか……


「ほら!ついたよ!プリクラ!500円入れて!」


「て、あ。もういいや…………払うわ。」


テメェが払えよ、と思ったがまためんどくさいこと言われるならさっさと払おう。


「やり方は分かるよね?」


「大体は。香織とやったし。」


「6枚撮るからね!ちゃんと準備してね!」


「はいはい………」


もうめんどうだ。早く終わらそう。えーとピースと指ハート、小顔ポーズとハートを2人で作るやつ、あとウサギポーズか?

で最後普通にフリーで………


その瞬間。彗の顔が晃太の近くにそして唇と唇が………


パシャ。







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