第137話 喧嘩するほど狂人は似る

「チョコブラウニーってとこポイント高いよ!だから私の勝ち!」


「何言ってるの?抹茶のほうがポイント高いから。だから私の勝ちよ!」


「なんで?パフェと聞いたら大体はチョコバナナとか連想するのにそのなかでブラウニーを選んだ私のこの決断力!だから勝ちは私のモノ。」


「あ、はいはい。今自分で地雷踏んだね~?王道はチョコ バナナなんでしょ?つまりチョコ系統は全て王道になるんじゃない?だからチョコブラウニーも王道の一部。けど私はその王道から外れて抹茶という道を選択した!その時点でどっちが勝ちか分かるでしょ?勝ちは頂いた。」


2人でごちゃごちゃごちゃごちゃ言いながらクレープを食べる。そしてそれを見る晃太。

あ~、頼むからこっちに振らないでくれよ。


「こうたんはどっちが勝ちだと思う?もちろんチョコブラウニー香織だよね?」

「晃太くん。やっぱり系統は抹茶なんだから私の勝ちだよね?抹茶彗の勝ちだよね?」


「知らねーよ。引き分けでいいだろ。めんどくせぇ。」


あぁ~。こんなことなら普通にチョコバナナ選んだら良かったわ。めんどくさいモノ頼まなければ良かった………俺のミスだわ。

まぁ、ごちゃごちゃ言いながらもクレープを食べて、全員が完食をした。

まだごちゃごちゃごちゃごちゃ言ってるけど。


「っと。でまだ食べにいくんだろ?食べ歩きするのか?どうなんだ?」


「するよ!私の妊娠しか胃袋を舐めないで!」


「舐めてないし。まず妊娠してないから。」


「じゃあ……次は………うっ…」


「ん?どした?香織……」


「こうたん……ちょっと………」


「何?」


「ちょっと………」


「何だよ?」


「………察してよ!」


お腹を押さえながら丸くなる香織。


「腹痛いのか?じゃあトイレにでも……」


「待って!トイレに行くんじゃない!お花つみに行くの!うっ」


「どうでもいいけど、早く行けよ。」


「お花つみだから。トイレじゃないから。」


「うるせぇな。早く行けよ。」


タッタっと走り出す香織。トイレに行くくらいでめんどくさいヤツ……


「ヘイ!タクシー!」


「あ?」


突然隣の異常者が暴れだした。

上げた手に反応し止まったタクシーに


「おいっ!彗!」


「早く乗って!」


無理矢理乗せられる晃太。

そして。


「タクシーの運転手さん!1万円で出来るだけ遠くに行ってください!」


と1万を先に支払い出発する。


「お前、何のつもりだよ?香織は?」


「フフッ。作戦成功。」


「作戦?お前……まさか……」


「薬をね。使ったの。」


そんな簡単に使ってはいけないはずだし何処から用意してきたんだろうコイツらは。


「香織には悪いけど私のターンだから。」


「お前………狂ってるって」


「愛は人を狂わせるのよ!」


「知らねーよ。」


狂人をもう一人見てるから確かに、と思う俺が嫌だわ。


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