第135話 エビフライ、尻尾から食うか?身から食うか?

「で、何処いきたいわけ?」


「えーと!食べ物があるとこ!」


「何処にでもあるわ。」


日本舐めんなよ?


「え~と晃太くんが行きたい場所に…」


「え、普通に学校になるけど?」


「それは違うじゃん!」


「いやっ、お前らが止めたから今ここで何処いくか決めてんだろ?ならお前らが決めろよ?」


「デート場所は男子が決めるモノでしょ?」


「まず、今日デートだということを今知った場合はどうすればいいのかな?」


何今日が元々予定していましたデートの日です。みたいな言い方してんだよ。元々もクソも先程入った一報何すけど。


「う~ん」

「う~ん」


悩む2人。悩むなら学校に行かないか?


「じゃあ私は甘いもの食べ歩きしたい!」

「私はゲームセンターに行きたい!」


「あぁ、そうですか。なら…」




到着したのは完全なる商業施設が建ち並ぶ商店街。


「ここならお前らの思うモノ全部そろうだろ?な」


「あ、鯛焼きだ!鯛焼き食べよ!」


「お前さぁ…話くらい最後まで聞けよ。」


もういいけど。


「う~ん、こうたん美味しそうだね!粒餡、こし餡どっちもいけるみたいだよ?こうたんどっちにす」


「あらあら香織さん?そんなことも知らないんですか?」


「あ?何よ?綾崎」


彗は豊満な胸を押さえ込むように腕を組む。


「晃太くんは粒餡が苦手なのよ?だからこし餡一択。でしょ?」


「何でお前知ってんの?」


「昔小学生時代に話しかけられなくてずっとずっと晃太くんの背中を追いかけてたことがあって…」


「お前それを世にいうストーカーと呼ぶんだぞ?」


「ストーカーじゃない。追跡してただけ。」


「弁論にならないけど。」


「その時にたまたま鯛焼き屋さんによる晃太くんを見て ぼくつぶあんにがてだからこしあんのたいやきください!って可愛く言ってた晃太くんを見たことあるから!それで!」


「俺そんな小さい頃から貞操の危機にいたわけ?」


「だから鯛焼きはこし餡しかダメ!だから店員さん!鯛焼きこの子は粒餡で!私と彼はこし餡で…」


「店員さん!店員さん!私もこし餡で!こし餡3個で!」


「あらあら。彼女さんだからそれくらい知ってると思ってたのに。案外チョロいわね。」


「ぐ、ぐぬぬ………」


してやったり顔の彗と唇を噛む香織。

いや、そんな誇ること?いや、そんな悔しがること?




3人にこし餡の鯛焼きが届く。

熱々でまぁ、確かに旨そうではある。


「んじゃあ」


「「ちょっと待って」」


バカ2人が制止する。


「何?」


「今から予想するから」

「そう予想というか答え合わせだけど。」


「はぁ?」


「「せーの。頭!」」


2人息を揃えて頭部のことを言う。

頭?何?ついに分かった?2人とも頭がイカれていることに。


「鯛焼き食べるのは」

「頭が先!」

「「でしょ?」」


「は?」


「だから!こうたんは鯛焼きどっちから食べるかどうか勝負してたんだよ。そしたらこの女とかぶって」


「真似するなよ!尻尾と変えなさい!」


「嫌だね!意見は曲げないもの。」


ぼーっと見てる晃太の前で言い争う2人。

うんで。


「「で答えは!」」


と2人がこちらを向いた瞬間には正解を出していた。

頭から頭部からいただきます。


「「よしっ!当たり!中々やるな……」」


いや、中々やるなとかじゃなくて………大体鯛焼きは頭から食うだろ。

わざわざ尻尾からいかないだろ?

んじゃあ………エビフライ、あなたは尻尾から食べます?食べないでしょ?それと一緒だろ。当然じゃないけど、当てても嬉しくない名誉無き正解だろ。

と熱々の鯛焼きを食べながら思う晃太だった。

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