第132話 先人は悟り開くのみ。
まぁ。日は進み明日に。
まぁ。当然のごとく本日も学校は休み。
もうそろそろ校長からお叱りの通達が、あ、いや。ないわ。校長今北海道で泣きべそかいて逃げちゃったんだ。なら大丈夫か。
進級できるかどうかは謎だけどね。
んで。本日は百舌鳥先輩の家に訪問である。
スーツに身を包み緊張気味ではきそうな進藤を先頭に中へと入っていく。
まぁ、当然なのだが先にこういう体験をしたアリス先輩の家と比べると庶民的で何だか落ち着く。そうそうこれくらいがちょうどいいんだよ。
「お母さん、いや百舌鳥先輩のお母さん。あの‥‥‥今日はあの‥‥‥色々知らせたいこと‥‥‥伝えないといけないことがありまして‥‥‥ここに来ました‥‥‥」
「いや‥‥‥あの‥‥‥君の名前は?」
「進藤 優と申します。」
「進藤くんね?え~と‥‥‥1個1個処理していくわね。」
お。百舌鳥先輩のお母さんって聞いてヤバい人認定してたけどマトモかもな。
「え~と‥‥‥進藤くんは愛莉の何なの?」
「か、か、彼氏です‥‥‥いったぁ!」
喜びなのか進藤の頭を叩くことで喜びを表現する百舌鳥先輩。動物かな?
「彼氏?え、彼氏?付き合ってどれくらい?」
「は、は、半年です‥‥‥」
「半年?え、ホントに?半年間も私気づかなかった訳?嘘?」
「ママ。当たり前だよ!ゆうくんは半年間何もしなかったんだよ!だからつい先日私が‥‥‥」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ちょっと待ってください!マジで!」
もう一気に言えばいいのに。ダルいから。
早く帰りたいから。
ウィーン。
百舌鳥母の顔が晃太を見つめる。ん?何ですか?まぁ、実際は晃太たちなんだけどな。
「あの~‥‥‥進藤くん以外の君たちは誰なのかな?」
「え~と。見届け人です。」
「見届け人?」
「あ、俺はそこのスーツのやつの親友‥‥‥を続けるか悩んでる晃太です。」
「ちょ、おい!」
「で、残る‥‥‥」
「私は晃太くんの彼女の香織です!」
「私は晃太くんの彼女になろうと狙っている綾崎翠です。」
「う、うん?」
「あ、お母さん。俺らはただの見届け人なんで関係性はほっといてください。ややこしいだけなんで。」
「い、今時の高校生はよくわからないね‥‥‥で、進藤くん‥‥‥だっけ?こんな大所帯で何の用かな?今日君たち学校でしょ?学校も休んでなんでこんなところに‥‥‥?」
「そ、それは‥‥‥言うべきことがあるからで‥‥‥」
「言うべきことって何なの?今言わないといけないことなの?」
「え~と‥‥‥その‥‥‥」
「もう焦れったいな!なら私が言うよ!あのねママ‥‥」
「ちょい!ちょい待って!待ってくださ」
「香織ちゃん翠さん」
「「オッケー」」
命令された2人は進藤の体をガシッと掴み‥‥
「ちょ、お前ら!離せ!」
逃がさないように蜘蛛の糸に捕まった蝶のように。
「オッケー。じゃあ。すぅ~。ママ、あのね?」
「晃太!晃太!助けて!助けてくれ!」
「‥‥‥‥‥俺の状況ってこんな感じだったんだな。地獄だな。こう見ると。でもまぁ、うちの親がバカだったからマシか。」
「客観的に見てないで助け」
「私ね!ゆうくんと中だしゴム無しセックスをしたの!」
あーやっぱりスゲェインパクト。
あと、あの時の俺もあんな真っ青だったのかな?
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