第130話 草むらから飛び出てくるのはポケ○ンだけじゃない

「はぁ~。良かったね~!あんにんにんどうふ計15個はあったね~!」

「あぁ。」

「これでかなりの間食べることが出来るね!」

「あぁ。」

「どうしたの?あんにんにんどうふ買い占め出来たのに嬉しくないの?」

「いや、そういうことじゃなくてな。」

「何?私がきちんと聞いてあげるよ!この嫁である私が!聞いてあげ」

「あのさ‥‥‥嫁の地位が揺るぎそうなのお前理解してないの?」

「へ?私の嫁という地位は消えないものだし」

「翠の出現でもか?」

「もう!こうたんたら!翠ってそんな言い方はするべきじゃないの。」

「痛い!痛い!お前背中で手を、腕を‥‥思いっきり曲げんな!」

「翠っていうから。」

「別に他意はねーよ。」

「浮気?」

「浮気とかより夜這いの危機が出てきたのは誰のせいかな?」

「夜這いの危険はずっと前から私と付き合ってる時からずーっと危険だよ?」

「お前が異常なのは知ってるんだよ。けど翠の‥‥‥」

「またギルティ。」

「痛い!痛い!もういい!綾崎が!綾崎が!」

「正しい。」

「暴力で解決するのが正解の世界なのか?」

「愛の暴力って知ってる?」

「だとしても暴力で解決するなよ。」

「で。綾崎さんがどうしたの?」

「‥‥‥‥お前が元に戻すのかよ。いいけど。」

「で。どうしたの?」

「お前さっきほんの10数分前のこともう忘れてるのかよ?」

こう‥‥

「前しか見ないの。未来しか見えないの。」

た‥‥‥

「前しか見えなくてもさぁ‥‥‥‥さっきの言い争いくらいは覚えとけよ。」

こう‥‥

「覚えてるよ?」

た‥‥

「覚えてるなら少しくらいお前は焦れ。」

こう‥‥

「大丈夫だって!私が守るから!」

た‥‥‥

「めちゃくちゃ心配なんだけど‥‥‥‥」

こうた‥‥‥

「大丈夫大丈夫!だから帰ろ!」

「いや、帰るのはいいのはいいんだけど。」

「何?どうしたの?」

「いやさっきからこうた、こうたって声が聞こえる気がするんだけど‥‥‥」

「‥‥‥‥そう?聞こえないけど。何かに取り憑かれてるんじゃないの?」

「もうやめてくれないか?これ以上何かに取り憑かれるのは嫌なんだけど‥‥‥」

「何に取り憑かれてるの?」

「今二体の女に取り憑かれてるな。現在。」

「誰だろ?怖いね!」

「‥‥‥‥‥‥帰ろ。」


「帰るなー!晃太ぁ~!!!!!」


草むらから何かが飛び出してきた!


「痛っ!」


そいつに晃太は背中を頭突きされる。


「何?どうしたの?こうたん!敵襲!敵襲!敵しゅ~!」


「敵襲じゃねー多分‥‥‥騒ぐな。香織‥‥‥」


「大丈夫?こうたん?敵は私が倒すから!どうせ綾崎でしょ?」


「いや、違う。」


「え?」


「もう1個のいらない種の方だよ。」


草むらからまるでゾンビのようにノロノロと歩いてきたのは‥‥‥


「進藤?なんでアンタがここに?」


「さっきも呼んでただろうが!なのに目の前でピー音だらけの言い争いしやがって!」


「何の用よ?私たち今から私の家にこうたんと共に帰るんだから。」


「おい。聞いてないぞ。俺は自分の家に帰るぞ?」


「なら香織ちゃんの家でいいから逃げさせて!」


「は?逃げる?逃げるって何?」



「俺次百舌鳥先輩の家に挨拶に行かないといけないんだよ!」



だろうな、と思ったわ。

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