第129話 2人の望むモノ、それは既成事実。

「は?」


何言ってるの、コイツ。みたいな目で見る香織。だけどそんな目で見る資格はお前には無いと晃太は思うのだが。


「話を他の人からよく聞いたら中だしセックスしたのはつい2週間前くらいのことらしいじゃない。」


「だから何?」


「まだそれくらいなら間に合う。」


「何が間に合うの?」


「子種」


「は?」


は、じゃねーよ。全員がは?だよ。


「今から私も晃太くんとせ、せ、せ、セックスをすれば私も彼女候補の一人になれるの!」


「ふん。セックスを恥ずかしがって一回で言えない人がそんなこと出来るとは思わないけども?」


「香織。多分それは関係ないわ。」


どこ基準で言ってんだ。


「それに私には仲間がいる。両方の親の了承、クラスメイト、生徒会長たくさんの人の後ろ楯があるんだよ。だからアンタが足掻いたところで所詮ムリムリ‥‥‥」


「でも既成事実なら!」


「は?」


翠は力強く叫ぶ。


「既成事実なら!完全に勝つことが出来る!」


「だから‥‥何度も言うように私とこうたんはセックスをして‥」


「受精してるか分からないでしょ?」


「あ?」


香織の顔が少し曇る。


「たった数回しただけで受精するとも限らないでしょ?危険度は高いけど受精する確率が100な訳じゃない。」


「大丈夫。私この頃急激にお腹減ったりするから‥‥」


「それもただの思い違いだったら?」


「あ?」


「子供が出来たと脳が錯覚して食べ過ぎてるとしたら?」


「そんな訳ないじゃん。」


「何でいいきれんのよ?病院で見てもらった訳でもないでしょ?」


2人の言い争いはヒートアップする。


「病院で見てもらってなくても赤ちゃんが出来やすい薬も飲んでヤッたから出来てるに決まってる。」


「それはあなたの考えてる理想でしょ?理想なだけで確定した未来じゃない。だから出来てるなんて保証は何処にもないんだよ。」


「だったらまたすればいいだけの話。こうたんと。」


「それを私もするんだよ。」


「何?3Pってこと?趣味じゃないけど。」


「俺の意見もき」


「誰がそんなことするのよ。1対1でするのよ。バカじゃないの?」


「私とこうたんが?」


「私と晃太くんがね。」


どちらも自分と晃太を指差すが無茶苦茶もいいところである。


「私が許すと思う?いや、世界が許すと思う?」


「大きくでたなーお前。」


「壁は高い方が燃えるって知らない?」


「お前は燃え尽きろ、そのまま。」


翠に当たり強いかもしれないがこれ以上セックスがどうこう赤ちゃんがどうこう言われたくないのだ。


「とにかく香織!あんにんにんどうふ買い占めに行くぞ!」


「まだ話は終わってないから!」


「終わってなくてもいいから。もういいから。」


まだまだ喋り足りないぞ?という感じの香織の背中を押し教室から出ようとする晃太。


「香織!」


後ろから翠の声が。


「いじめてた過去は消えないのは分かってる。けど好きな気持ちも消えないのも分かるでしょ?アンタなら。一番近くで親友と呼ばれ続け女として見られなかったアンタなら。」


「うるさいっ!」


「だから諦めない。私はどんなヒール、悪役でも諦めない。絶対に既成事実をつくるんだから!」


「私がこうたんを守るから。」


「その包囲網も抜けて私はするから!」


「出来るモノならやってみなさいよ!」


「望むところよ!」


バチバチっと火花散らす2人、だが1つ。

本人の了承無いんですけど‥‥そんな安心して眠りにつけないような時間、事件は嫌なんですけど‥‥‥‥

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