第122話 やっぱり昔の言葉は首を絞め続ける。
「ふぇ?」
世界がまるで止まったようにカチカチと時計の針の音とお茶を飲む晃太の音、外の風の音も聞こえてくる。
「あ、もしかして私の言葉聞こえてませんでした?ならもう一度いいましょう‥‥‥」
「百舌鳥先輩!マジでストップ!」
「あ、待て!このやろう!ガムテ外して逃げた!猫みたいだな?進藤め!」
何とか香織から逃げた進藤は百舌鳥の口をふさぐ。
「百舌鳥先輩じゃないよね?愛梨‥」
「今はいいでしょ!マジで!お袋の顔見て!硬直してるから‥」
「あ、あの‥‥‥」
「うん?お母様?どうしたんですか?」
「あの‥‥‥今日はあの~エイプリルフールでしたっけ?」
「いや?6月の28日くらいだっけな?」
「え~2ヶ月か3ヶ月くらい遅れてエイプリルフールが来たの?」
「いえ。私は嘘をつきません。今吐いた言葉は全てホント」
「ちょい待と!ちょい待と!マジで!待と!今日は帰ろ?帰りましょ?」
「え?帰ってもいいけど2人きりの状態にしてもいいの?それのほうがややこしくない?」
「いや‥‥‥」
「んじゃあ。帰るか。お茶あざした。」
「帰ろー!コンビニでプリンとシュークリーム食べたいの!」
「あっそ。自分の金で買えよ?」
「ケチ。あ、じゃあ仕方ないし優しい私だからエクレア買ってあげるよ!」
「何でエクレア?なら杏仁豆腐食べたいわ。」
「なら買ってあげる!」
「おー。流石。」
「流石何?」
「嫁とか言おうとしたけど調子乗りそうだから止めた。」
「嫁なんだから言ってくれていいのに!ヒドーまーいいやー帰ろー!」
「あ、お邪魔しました‥‥‥」
「「ちょっと待って!」」
進藤はくるだろうと思ったがもう1人止めにきた人が‥‥‥‥君菓さんだ。
「ごめん!晃太くんたちいてくれない?頭おかしくなりそうだから‥‥‥」
「え。嫌ですけど‥‥‥」
「え、そんなこと言わずに‥‥‥」
「え?俺はこの状況自分で打破したんすよ。それをあんたらはめちゃくちゃバカにして‥‥それをどの面下げて助けてくれと?」
「いや‥‥‥」
「それは‥‥‥」
「俺は情けないんすよね?男として情けないやつなんすよね?なら仕方ない。情けないヤツがいても、ここにいても必要ない‥‥‥」
「ホントにすんません!頼むんで!いるだけいてください!」
綺麗な土下座をみせる進藤。
それはそれは綺麗な‥‥。
「頼むんで!」
「あ?じゃあ5分だけいるんで。その間で解決して?」
「5分?」
「ダメっすか?なら帰りますね。帰るぞ。香織‥‥‥」
「いや!5分でいいです!いてください!」
進藤は必死に訴える。だが‥‥‥‥
5分でどう解決するんだよ!!
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