第121話 四面楚歌は一番の最悪な味

「ば、ば、爆笑したのは‥‥‥事実だよ‥‥」


「うん。‥‥よしっ。帰ろ。帰るぞ、香織。おばさんにはお茶すいませんって言っといてくれ。帰ろ。」


「うん!帰りにコンビニ寄ってもいい?」


「いいぞ。じゃあ‥‥」


「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って!ホントにおねがいします!」


立ち上がる2人になりふり構わず一瞬でジャパニーズ土下座にスピードチェンジした。


「ホントに!ホントに!おねがいします!助けてください!ホントに言ってること無茶苦茶言ってるのは分かってるんだけど‥‥‥今ここで知られたらヤバいんですよ!うちの母親卒倒するから!」


「するだろうな。」


「だろうなって‥‥‥‥‥お前そんな他人事みたいに‥‥‥」


「他人事だろ。あと卒倒はするって分かって来てやったんだよ。だけどお前の裏の顔が分かったってもう分かってもう嫌になった。ホントに嫌になったから。もう‥‥‥さらけ出せ。」


「ちょ、お前‥‥晃太‥‥それはないだろ‥助けて‥‥」




「あら?晃太くんたち何立ち上がってるの?ほらこれお茶のおかわりよ。」


「あ‥‥はい。んじゃあこのお茶飲んだら俺らは帰りますね。」


「あら?そうなの?」


「ちょ、ちょ、ちょっと待て‥‥晃太‥‥頼むから‥‥‥」


「優?どうしたの?何でそんなに慌ててるの?」


「い、いや‥‥‥な、何でもな、な、ない‥‥けど‥‥‥」



さぁ。自身の大ミスで進藤 優は四面楚歌。

ひとりぼっちになってしまった。



「さぁ。愛梨ちゃん、愛梨ちゃんでいいよね?」


「はい。愛梨で結構です。もうお母様なんですから。いや、もうおば様になるかもしれませんが‥‥」


「おば様?どういうこ」


「な、何でもない!何でもない!百舌鳥先輩!トイレとか行きたくないですか?」


「行きたくない。てかまず百舌鳥先輩って言い方は違うよね?」


「ぐっ‥‥‥」


「え?違う言い方してるの?」


何?何?と期待している進藤母。


「いつもの言い方。」


「あ、あ、あ、愛梨‥‥‥‥」


「はい。よく出来ました!」


進藤をよしよしする百舌鳥さんを見て喜んでいる進藤母。


「あの。お母様。私は今日は重要なお知らせがあって来ました。」


「重要なお知らせ?」


「ちょ、ちょ、ちょっと待って!待って!待って!待って!2人!」


助けを求める先にいるのはお茶を飲む晃太とお菓子を選ぶ香織で‥‥‥


「ホントに!頼む!お願い!何でも言うこと聞くから!」


「プライド傷つけられたらそんなモノいらんわ。」

「晃太ふぅんがそぉいうなはわたしはなんもしないは」


「お前ら‥‥‥‥」


自業自得。こんな言葉が似合う現状あるとは。


「重要なお知らせしてもいいですか?」


「あ。何か‥‥‥緊張するわね。」


「大丈夫です。一瞬で終わります。では、私たち進藤 優と百舌鳥 愛梨はラブほ」


「あああああああああああ!」


「びっくりした!何?優うるさいわよ?」


「その話題は今日じゃなくてもいいんだよ!」


「香織。優くんの口ふさいでおいて。」


「りょ。」


「ちょ、ちょ、ちょっと待てよ。香織さんどっからガムテを‥‥‥待って!待って!」


口をぐるぐる巻きにされる進藤。

その様子をお茶を飲みながらみる晃太。


「タノムタスケ‥‥‥」


「自業自得。あと諦めろ。」


「オマエ‥‥‥」


「あの‥‥‥どうしたの?何かぐちゃぐちゃしてるけど‥‥」


「お母様は私の言葉を聞いてください。」


「え?あ、あ‥‥‥‥うん。」


すぅ~っと息を吸った百舌鳥さんは。





「お母様、私百舌鳥 愛梨と進藤 優はラブホテルで子作りしました。ゴム無しで中だしで。」


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