第120話 自分の投げたブーメランは毒とトゲを備えて返ってくる
「さ、さぁ~!座って!座って!ほら、好き嫌いはない?大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です。私洋菓子大好きです。」
ニコっと笑う百舌鳥さん。その反応で悶えるたのか目線で進藤に目配せする君菓さん。
「え?もう一回聞くけど!2人‥‥‥2人‥‥‥2人は‥‥‥ゴホゴホ!ゴホゴホ!ゴホゴホ!」
「大丈夫ですか?お母様?」
「だ、大丈夫。大丈夫。てかお母様‥‥‥お母様‥‥‥お母様‥‥‥ほぅ‥‥‥」
満面の笑みのおばさん。
もう満足そうだけど‥‥‥おばさんの笑みが全て知ってる晃太にとっては何か悲しいし痛痛しい。
「じゃあ聞くね?2人は付き合ってるのね? 」
「はい。付き合ってます。」
「いや~!」
すぐさま椅子から動いて進藤の肩をバンバン叩く君菓おばさん。その肩パンパンをヘナヘナの体で受け止める。
「付き合ってるのね?イヤ~!優にこんな彼女が、こんな可愛い彼女がいたなんて‥しかも半年前から?もう!早く言って欲しかったわよ!」
「ホントにそうですよね。」
熱をこもるおばさんに徐々に化けの皮が剥がれてくる百舌鳥さん。
「あ、あとお母様。言いたいことがありまして‥‥」
「うん。何何?」
「付き合ってるのは当然なんですが私たち実はラブ」
「おばさん!ゴメン!お茶のおかわりくれない?」
「え?今?」
「うん!今!今ね!今すぐね!」
「うん‥‥‥いいけど‥‥‥てか何で晃太くんと彼女さんがいるの?」
「彼女の香織でーす!」
「香織のことなんで彼女やって知ってるんですか?」
「え?優から聞いたのよ。聞いたわよ?晃太くん香織ちゃんに襲われたんだって?それって男としてどうなの?」
「は?」
「優が爆笑しながら話してくるから何かな?って思ったらそんな話だったから。情けないわねー。晃太くん?けど赤ちゃん出来たら祝うわね?あー、ホントに私の息子、優だったら卒倒するわよ!アハハ!あ、じゃあお茶いれてくるね!」
急いで飲んだ空のコップを持ってキッチンにむかうおばさん。
4人になった空間。
「よし。お茶もらったら俺らは帰るぞ。香織。」
「ガッテン!」
「ちょっと待って!ちょっと待って!おねがい!弁解をさせてくれ!」
「進藤‥‥‥俺は本気でお前を助けてやろうと思って来たんだぞ?なのに‥‥‥お前。」
「いや‥‥‥その爆笑の件に関してはホントだから何にも言えないけど‥‥‥」
「じゃあ帰るぞ。」
「頼む!マジで頼む!俺その話の時マジであり得ないよなーとか結構なこと言ってたから!もし俺がその状態になればヤバいことに」
「一言言ってもいいか?」
「な、何?」
「それを 自業自得 っていうんじゃねーの?」
ホントに‥‥‥‥進藤の顔が曇りまくった‥‥
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