第112話 小休憩と過去の異物

「ホントにすいませんね~。うちのバカがホントにもうすいませんね~。」


場面は変わり場所も変わり、場所はリビングに。

テーブルに座らせ目の前には自分が選んだドリンクとケーキが‥‥‥

配りながら話すのは清美さん。


「それにしてもあの時の仲良しの2人さんがまさかアリちゃんの友達だったなんて。世界は狭いわね~?」


「そうですね!!あの後しっかり指輪をつくってもらって‥‥‥ほら!キレイでしょ?」


「あらまぁ~!キレイね~!PLANETのあの人本気になってつくって‥‥‥お二人のこと相当気にいったのね~!すごいわ~!お嬢ちゃん!」


「お嬢ちゃんじゃないよ!私 香織!沢 香織!隣のダーリンは社 晃太!こうたん!よろしく!清美さん!」


「あ、あぁ‥‥‥よろしくお願いします‥‥‥」


リビングに今いるのは清美さんと晃太、香織の3人。


「清美さんじゃなくていいわよ!きよちゃんでいいわよ!」


「うん!分かった!きよちゃん!」


「じゃあケーキ食べていいわよ?」


「あ~!そうだね!いただきまーす!」


そういいながらケーキにフォークを突き刺す香織。


「晃太くんだっけ?晃太くんも食べな?」


「い、いや‥‥‥あの‥‥‥清美さん‥‥‥」


「きよちゃん!」


「いや‥‥‥俺は清美さんで‥‥‥いいです‥‥‥」


「そうなの?じゃあ清美でいいわよ?」


少し清美さんが悲しそうにする‥‥‥え、そんな言って欲しかったのかな‥‥‥


「あの‥‥‥清美さん‥‥アリスさんと忍さんは‥‥?」


「アリちゃんならあの男の子の看病にいってるわよ?血相変えていったわよ?相当大事な人なんだね。」


ニコっとしながら嬉しそうにそう言っている。


「で、では‥‥‥校長は‥‥‥?」


「あ、あのバカ?あのバカなら今サウナの中にほっておいてるよ?私がいいって言うまで出ないようにしてるわよ。」


「え、それって校長死にませ」


「一回死んだらいいのよ。ホントなら警察のお世話になるとこをあの男の子が 警察への電話はいいです。 っていうから。いい子よね。あの子。」


校長の時の話をするときは飽きれ顔をしていたが忍先輩のことを話す時は笑顔の清美さん。

‥‥‥俺からいうべきなのか‥‥‥イヤでも忍さんのことを勝手に言わないほうがいいと‥‥‥


「あの‥‥‥」

「晃太くん、香織ちゃん。2人ともアリちゃんと仲良くしてくれてありがとうね。」


ペコリと頭を下げる清美さん。


「それにあの男の子もね。忍くんだっけ?アリちゃんの友達に、そして恋人になってくれてありがとうって」


「清美さん‥‥」

「きよちゃん。」


清美さんはお茶を一口飲むと一呼吸置いて話をする。


「私、ずっと後悔してきたの。ずっとずっと後悔してきたの。アリちゃんの学校について。そして人間関係について‥‥‥」


意を決した様に話はじめる清美さん。

それは清美さん、いやアリス先輩のおばぁちゃんとしての思いがたっぷり詰まった言葉だった。

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