第107話 がんじがらめのお姫様。

「やぁ、よく来たね。香織くんに晃太くん。君たちが呼ばれた理由は分かっているよね?前の話の続きをしよう。私の疑問に答えてもらおうか。………っと思ったが、なんだい?この状況は?」


「見ての通りですよ。校長。」


「…………何でアリスちゃんと忍がここにいるんだ?呼んだのは君たちだけのはずだが?」


そう校長室に今いるのは、晃太 香織 校長、そして アリス先輩に忍先輩の計5人。


「話しやすいと私が思いまして。」


香織が話し出す。


「何だか校長アリスちゃんに過保護になりすぎて学校で自由な時間与えてないみたいじゃないですか。」


「は?何を言ってるんだ?」


「アリスちゃんさっき言ってたよ?私は普通にクラスメイトとしゃべりたい、普通にクラスメイトと行事に参加したいって。それを聞くこともなく2年も無駄にして………どうゆうつも……」


「私はそんなアリスちゃんの言葉知っているから。」


校長が力強くいう。


「は?なら何で………」


「何でもクソもないだろう。私はアリスちゃんの貞操を守るためにやってるだけだから。周りに男がウヨウヨいる環境じゃ安心してアリスちゃんを学校に送れないから。アリスちゃんのことを考えてやってるだけだよ。」


「自己中にもほどがある。」


「何とでも言えばいい。ただアリスちゃんの相手はもっともっとたくさん金を持って将来安定した人を用意しているから。」


「金で愛は買えないんだよ?」


「でも金が無ければ何も生まれないんだよ?」


にらみ合いながら静かに香織と校長の口論は続く。


「で、アリスちゃんの彼氏は誰なんだ?早く教えないと……」


「それよりアリスちゃんの今の現状を破壊するほうが大事でしょ?」


「破壊なんてしない。好きなやつがいるならその好きなやつを消してまた作り直せばいい。破壊と再生だよ。」


「消す?」


「退学だよ。退学処分にする。」


校長の威厳を遺憾なくつかった攻撃……最低と言えばマジで最低だ。


「ちょっと待って!おじいちゃん!退学は…」


「じゃあ好きにならないでくれればいい。それが一番誰も悲しまない結果だ。」


「肝心のアリスちゃんが悲しんでるじゃんか!」


「悲しみなんて一瞬だ。私が用意する極上の人間にならアリスちゃんも満足するから…」


「このクソじじ……」


香織が言いかけた瞬間……

サッと手を伸ばし制止したのは……


「忍先輩?」


忍先輩は校長の前に歩いて進む。


「五十嵐。お前がいて何故こんなことになる?お前に任せたはずだろ?アリスちゃんには男を近づけるな、とそれなのに何故……」


「校長先生………」


「あ?」


忍先輩はアリス先輩を肩で抱き寄せ………


「アリスさんの彼氏はこの俺です。」


高らかに宣言した……


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