誕生日プレゼントは俺って言ったら幼馴染みに襲われた件

第88話 奥手とか言いながら一番スケベなのはそういう人間

「私って優しいよね！」

「は？」

隣にいる自称恋愛マスターがそう言う。

「どこら辺が？そう思われる原因ですかね？」

「え、全て。」

「うわ、全肯定ポジティブは怖いわ。」

「人生はポジティブ行かなきゃだもん！」

ポジティブの塊に飽きれたように晃太は話す。

「まずどこが優しいのか教えてくれるかな？」

「え、全てが。」

「……………」

愕然とする晃太は頭をかきなかがら話す。

「全てがって言うのなら街中で拡声器で脅したりしたり倒れた人間に水を直接かけたりするのも優しいに入るのか？」

「優しいでしょ？全ては2人の背中を押すためなんだから！それに2人の分のお代も払ったんだから！優しいの権化でしょ？」

「お前の中の優しいがどうなってるのかよく分からないけど今の話、お金くらいだぞ？直接役にたってるの？」

「それにさぁ～」

「あ？」

「水を直接かけたりしたのはちょっとお仕置きの意味もあるんだよ？あーんだけで発情して興奮して鼻血出すとか気持ち悪いからね。やっぱそこはしなきゃ。」

「……………」

鼻血くらいでボロクソ言ってますけど貴方がしてることそれ以上のこと多いですからね？

「ま、公園まで運んであげたんだからそこはまず感謝してほしいけどね！」

「それ俺。」

「横で応援してたじゃん。頑張れ頑張れって！」

「ただの騒音なんだよ。」

「酷い！」

酷くないし、まず水浸しの男をおぶる集団の姿がまず目立つのよ。そこで騒音鳴らされたら止めてってなるだろ。

「まぁ、早く目を開けないかな？アイツ。」

「せめて進藤にしろよ。」

「ちょっとはご褒美してあげたのにこれじゃ百舌鳥ちゃんが疲れるだけじゃん？」

「ご褒美か？進藤また気絶しないか？」

う～ん………

何か嫌なことがあった気が……

てか、何か冷たい気が………

うん、てか何か頭の感触が柔らかい気が……

「進藤くん………？」

目をぱっちり開けると……そこには。

そこの目の前には百舌鳥先輩が………

え、てかこの体勢ってことは………

体を少し動かすと全てはわかった。

膝枕。進藤は膝枕されていた………

「ちょっと待っ」

ライム♪

進藤の声を消すようにライムが。

もちろんヤツで。

おはよう。あーんだけで鼻血を出した妄想スケベ。この膝枕のまま10分待てよ？

じゃないと妄想スケベってずっと言うぞ？

「お前さ………進藤に当たりが強くなりすぎだよ………」

と、チラッと進藤を見るともう赤い血が垂れているのが見えた。あ、ヤバイかもな。

妄想スケベって言葉は酷すぎるけど……

進藤…………

「アイツあんなに女子に耐性なかったか？クラスの女子とか普通に触ったり喋ったり出来るのに……」

「百舌鳥ちゃんだからだよ。」

「あ？」

「百舌鳥ちゃんだから。百舌鳥ちゃんで色々妄想してるからだよ。あのスケベは。」

………親友の嫌なとこ見たかも………