第87話 時には無茶してもいい。どうにかなる
「お前さぁ………」
「かおりんだって?」
「もうそのターンいらないんだよ!お前さ…今何した?」
「え?恋愛初心者たちに救いの写真をおく」
「嘘をつくな。」
「嘘じゃないよ。」
「嘘だろ。お前私利私欲を満たしただけだろ?」
「え、な、な、何故に分かる?あ、これが愛か。」
「ふざけんな!愛じゃねーよ。」
香織、この生物についてかなり学んできたから行動には一定の理解はある。だが慣れないし慣れたくない。
「お前がただ欲情しただけだろ?」
「あら。こうたん、朝からお盛んなことで。」
「お前がって言ったよな?話聞いてる?」
「もうっ。そうだよ。私は百舌鳥ちゃんのピュアさを見てなんだかこうたんとキスしたくなってだからキスを無理矢理しただけだから」
「ピュアの意味を履き違えてるんだよ。ピュアの意味をもっと学んでこい。」
「ピュアとは純情、つまり私みたいな人のことだね!」
「どう考えてもピュアじゃねーよ。非ピュア。お前はピュアから最も遠い位置にいる。大体ピュアなヤツが自分から襲ってこないだろ?」
「ピュアだからやり方分からずヤっちゃうんだよ?」
「それはピュアじゃねーな。バカだな。ただの。」
それが通じる世の中なら世界中皆ピュア、犯罪者も皆ピュア。絶対そう。間違いない。
「てかあの2人写真見たまま固まってるじゃん?」
「そりゃそうだろ。爆弾投げ込まれたのと一緒なんだから。」
「仕方ない。ここでも使わないといけないかな?」
ガチャっと出したのは………
「お前もうそれの出番は無しにしようや…」
「だ~め~♪」
可愛く言っても行動がグロすぎる。コイツを止めるストッパーが俺なんだろうけど、ストッパーにもなれない……ごめん!進藤!悪いとは思ってる!けど無理なモンは無理!
どうすれば………進藤は考える。
ここで会計して逃げるのもアリだ。
もったいないが身を守るにはそれも大切だ。
またメロンソーダビックを自分一人で飲めばいいだけの話………腹がはち切れてもいい。そうすればこの話はナシに………
てかミッションとかこなす必要ないし……
ライム♪
とか進藤がぶつぶつ心で唱えているとまたライムの音が………
「あ、香織ちゃん………」
もう分かりきってる送信者。
で文章は………
ミッションクリアしないと前に進めないからやってるの。逃げるとか許さないからな?
なんなの。人間の脳を読み取れるのかな?アイツは。
制限時間をやる。今から3分以内にあーんと一緒に恋人ストローの写真を撮れ。出来ないならここでも拡声器でお前を名指しする。
もう脅迫者じゃん。
よーいどん。
砂時計のスタンプがひっくり返り3分を数えだす。
「ちょ、ちょ、ちょっと!」
早くない?
「進藤くん。ストローくらいは出来る……でしょ?」
「……………」
その百舌鳥先輩の声は悲しいのか震えていて。
「やろう?」
「……………はい。」
そううなづくしかなかった。
恋人ストローにせのーで口をつけカメラの方に必死に見る。何とか不格好だろうが撮れた。
スタンプを見ると残り時間は………
1分30秒?
マジかよ?
「あーん…………」
時間を見てか知らないが間髪入れずに百舌鳥先輩がスプーンであーんをしてくる………
「……………」
「あーん…………」
「……………」
「あーん…………」
「……………」
残りは30秒。
時間もスプーンからチョコが溶けて落ちそうになっていたり……色々ギリギリで………
「あーん…………」
残り10秒。
ええい!いけ!勢いだ!
そう思った進藤はスプーンを噛みちぎるくらいの勢いであーんを遂行した。
「どうだ。俺だってやれば出来る………」
そう言い切りたかった進藤だが鼻から血が…そして………
バタン。と急に倒れた。
「え?進藤くん?大丈夫?」
心配した百舌鳥先輩と晃太、香織が駆け寄る。
「すいません。大丈夫なんでやかんに水いれてくれないですか?顔にぶっかけたらいけると思うんです。」
「香織………お前は鬼か?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます