第86話 人間は日々退化していく。だから進化しなくてはならない。

「お前さぁ………」


「かおりんとお呼びぃ!」


「お呼びじゃなくて………何キャラなの?何をモチーフにしてるの?」


「にし○かす○こだよ!」


「また古いネタを持ってきて………」


まだエンタがあった時代だぞ?懐かしい。


「あのひよる進藤が出来る訳ないだろ?」


「出来るようにならねば進化しないの。人間は日々退化していくの。だから進化するように持ち上げていかないといけないの。」


「何かスゲェ語ってるとこ悪いけど…………たかがこんな小さいことで人間は進化はしないぞ?」


「でも退化はしないでしょ?」


「退化というか変な道に逸れていくんじゃない?」


確実に進化はしない。


「で。後もう一つ疑問があるんだけど。」


「何かな?」


「何で俺らの席にもメロンソーダビックとパフェがあんの?」


デカイ容器にメロンソーダと恋人ストローが刺され、パフェはイチゴ生クリームパフェ。

旨そうだけど本音を言うならイチゴ生クリームよりチョコバナナのほうが好みだった。

いや、どうでもいいけどね?


「いやいや。お兄さん。」


「お兄さん?」


こうたんやら何やら呼び名を統一する気はないのか?無茶苦茶だぞ?


「私たちのしなければならないこと分かってますか?」


「しなければならないこと?え?嫌がらせ?」


「もう。嫌がらせなんて一つもしてないよ!全ては愛のため恋愛のため!恋愛プロデューサーとして私たちはここにいるんだよ!」


「それは初耳ですわ。ってきり嫌がらせするだけかと。街頭で拡声器持って怒鳴り散らしたりするし」


「あれは正当な方法だからね?何を言ってるだか?」


「お前が何をしてるんだか……」


「まぁ、ともかく私は私たちは恋愛プロデューサーな訳ですよ?あんだーすたん?」


「はいはい。理解したから。次いって。じゃないと話進まないだろ?」


とにかく恋愛プロデューサーらしい。俺らは。


「そんな私たちのすること。それは迷える恋愛初心者に手を差し伸べ助け道標となること!」


「つまり?」


「私たちが先にこの指令をこなして送ってあげるの!ライムで!そしたら怖くないでしょ?」


「職権乱用じゃないっすか?恋愛プロデューサー。」


「え?」


「それ自分がしたいだけでしょ?」


「何を言ってるの!そんな訳ないじゃん!さぁ!早くこなそう!」


「……………」


コイツ…………まぁいいか。恋人ストローとあーんだけだろ?申し訳ないけどそれ以上の異常なことされまくってきたからもう耐性ついてんの。それくらい正直余裕………


「でも私たちは余裕だもんね?こんなこと!」


「え?」


晃太の心を読み取るように香織が唱える。


「あーんと恋人ストローとか序の口過ぎてアクビがでちゃうね?」


「いや………別に序の口でいいんじゃ……」


「だからワンステップ上を見せてより元気づけよう!」


「元気づける必要はな、お前顔近っ……ちょっと待て!ちょっと待て!ちょっと待てって!」








ライム♪


指令がきてから固まり続ける進藤と百舌鳥先輩の元にライムが送り主はもちろん 香織。


こうするんだよ。


その文とともに。

そこに添付されていたのは。


普通に恋人ストローで飲んでる写真とあーんをしている写真。


晃太のヤツよく出来るよな………


「あれ?まだ下に写真がある……?」


百舌鳥先輩がスクロールをもう一度すると…

そこには



直接口と口でメロンソーダを飲ましている写真


直接パフェを口と口で食べさせあってる写真


その二つがあった。



「……………」

「……………」



沈黙の中、進藤の手はスマホに。

そしてライムに。






ライム♪


晃太に届いた進藤からのライムは。


お前らおかしいよ。



いやおかしいのは一匹の狼だけなんですけど?

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