第85話 第2の指令は記念のため。
「お前さ………」
「お前ではなくかおりんだよ!」
「いや………まぁいいけど。」
めんどくさい名前システムだな………
「かおりんはここにカフェがあることを知った上でライム送ったのか?」
「いや?単純にあったからだよ?」
「……………」
ホントか?と思ってしまうがここで追及したところで何にもならない。だからいいやと思った。
「で?メロンソーダのデカイやつとパフェ一つだっけ?」
「そう!」
「それを進藤たちに頼ませるのは構わないけど」
「うん。」
「何で俺らも同じ注文する必要があるの?」
「え?分かんない?」
「分からないから聞いてるんですけど?」
香織ははて?という顔をしながら言葉を繋げる。
「え、例を見せるためだよ!」
「は?」
「だから~例を見せるためだよ!初心者カップルに例を見せるためだよ!」
「は?どういう意味だよ?」
「注文が来たら分かるよ!あ、来たよ!」
「どういうこと………って………」
晃太は届けられたモノを見て気づいた。
コイツの悪さ、やりたいことに。
「御注文の商品です。ごゆっくり……」
「ちょっと待ってください……」
「はい?」
「これ俺ら頼みましたか?」
「え、メロンソーダビックとチョコバナナパフェですよね?」
「ですけど………」
「あの申し訳ないんですが他のお客様が呼んでいるので………すいません。ごゆっくり。」
店員の人はそう言って去っていった。
「……………」
「……………」
残された2人には沈黙が………
何故か?それはメロンソーダビックが問題だった。
パフェは普通にチョコレートとバナナが絡みあって旨そうだった、が問題のメロンソーダビック、何が問題か………それは見たら分かる。見たら当然………分かる異変。
何か。
メロンソーダビックにはストローが一つしかなかった。いや違う飲み口は二つあるがストロー自体は一つにまとまりいわゆる恋人ストローになっていた………
「これ………」
「進藤くん飲んで?」
「え?」
「私喉渇いた……」
「あ、じゃあ先…」
「………むぅ。」
「え?」
何か不満そうな百舌鳥先輩。
何が問題なのか?
「もう一回言うよ?」
「あ、は、はい。」
「喉渇いた。だから飲みたい。だから」
「じゃあ飲んだらいいじゃないですか……?」
「……………」
「え?」
この沈黙は何?何?何か嫌な予感するし……
何か嫌な記憶が……
ライム♪
あ、やっぱり来たかも。彼女からの指令という名の試練が。
お前はバカか?
初めから暴言から入ってるし……
百舌鳥ちゃんが飲みたがってるじゃない。
それなのに飲まないとかふざけてんの?
いや、言い方悪いけど別に百舌鳥先輩が飲めばいいだけじゃないの?
次の指令
2人でストローで飲みあって2ショット写真をとること、そしてパフェをあーんしあうこと。
もう神に祈るしかなかった。
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