誕生日プレゼントは俺って言ったら幼馴染みに襲われた件

第84話 次はカフェに。メロンソーダとパフェを加えて

「おい。香織………」

「かおりんとお呼び！」

「いや、今そういうテンションじゃねーから………」

お呼び！じゃないのよ。

「お前………やっていいことと悪いことがあるぞ？」

「何が？」

「何がって………群衆を使って圧力かけて強制的にやらせるのは意味合いが違うくないか？」

「だから言ったでしょ？潔癖症の人の一番手っ取り早い直しかた、強制的に汚す。だからひよってる進藤には無理矢理にでもガソリンをいれて暴走でも走りださないといけないんだよ？」

「意味分かんない。」

「まぁ、恋愛初心者のこうたんには難しいかな？」

お前は恋愛玄人なのか？とツッコミたかったがやめた。話がややこしくなりそうで……

お前は恋愛玄人じゃねー。恋愛狂人だよ。どう考えても。

「てか………進藤と百舌鳥先輩走って逃げていったけど？どうすんだよ。お前が集めた群衆のせいでどこにいるか分からないからな？」

「あ、それは大丈夫。ちゃんとGPSつけてるから問題なし。」

「その発言が問題ありなんだが？」

「え？でも本人の許可ありだよ？ありがとう！百舌鳥ちゃん！」

「……………」

百舌鳥先輩………コイツを信用し続けるのは良くないことですからね。ちゃんと嫌なことは嫌と言わねば。

「て、ことで進藤と百舌鳥ちゃんのところに行こー！」

元気に腕を上げる彼女を見て晃太は、

とりあえず進藤………ファイト。

と心で小さくエールを送った。

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ……」

進藤の息は死にそうなくらい上がっていた。

そりゃそうだ。あんな群衆の応援？いや煽りを聞いて逃げ出さないやつはいない……

怖い。生きてる中で一番の怖さだった。

「し、進藤くん……」

「はぁ……はぁ……はぁ……はい？」

「大丈夫………っていいたいのもあるんだけど……これ………」

百舌鳥先輩は赤い顔で下を向く。

手が手が握りしめてあった！

「おっおっおっおっおっおっおっおっおっおっおっおっおっおっおっおっおっ！」

握りしめていた手を離しまるで歌舞伎役者のようにくるくるその場で回る進藤。

「す、す、すいません！」

「い、い、いや……いやじゃないから……」

真っ赤な百舌鳥先輩は手を繋ぐことに対して好意的だった。

しかも進藤は百舌鳥先輩に、手にき、き、キスを………あ～！考えないでおこう！

「えー……っと……どこ行きます？」

「考えてない。進藤くんは？」

「考えてないですけど………」

ライム♪

その言葉を発した途端鳴るライムの音。

恐怖が過るが多分いや、確実に彼女だろう。

「香織ちゃんから………」

やっぱり………とうなだれる進藤はライムの文字を仕方なく読む………

デートだって言ってるんだからしっかりプランたててこいよ？ボンボクラぁ！

口悪すぎない？

とりあえず休憩のために横にあるカフェにでも入りな。飲み物は大きいメロンソーダ一つとパフェ、何でもいいからパフェを一つ頼みな。その注文が終わったら連絡する。

何？スパイ？何？取り引きでもするつもりなの？