第81話 デートの待ち時間は流石に15分程度って恋愛のルールブックに書いておこう。

「ねむ………」


「どうしたの?何で眠いの?」


「………もうどうでもいいわ……」


結局昨日のいやもう今日なのか……今日の深夜まで起こされたのは最悪だよ。


「あ、もしかして昨日の寝顔のスクショみたい感じ?ほらほら!見てよ!」


「見なくてい、おま、何枚撮ってるんだよ!」


「連写してたから多分1000くらいじゃない?」


「じゃないじゃなくてどうすんだよ。そんな枚数……」


「え、オカズに………」


「朝からやめて。人前でやめて。」


もう性欲魔神って言うからな?


「てかそんなバカな話してないでさ。」


「こうたんから話したよな?」


「眠いって話からそんなとこに到着着地するとは思わねーだろ。」


「私だよ?私のこと理解してくれてるならそれくらい理解してよぉ?」


「どんな難問だよ。分かる訳ね……」


「あ、ちょっと見て!」


「お前話は…」


「そんなことより来たよ!」


香織が指差す方向には


「百舌鳥ちゃん到着!10分前だね!可愛い服!」


「あ~、確かに可愛いな……」


「浮気?」


「誘導尋問が酷いな。」


お前が始めに言ったから乗っかったんだけど?





10分後。


「遅い!」


「声がデカイ………バレるぞ?」


「でも遅い!遅すぎる!遅すぎる!」


CMの真似でもしてんのか、

高すぎる!高すぎる!的な。


「進藤のヤツ!百舌鳥ちゃんを何分待たせるつもりだよ!」


「お前が進藤って呼び捨てすんなよ…」


「いや、これからは進藤だね。進藤くんと呼ぶにはポイントが減りすぎたね。」


「お前は人をポイントで判断すんのかよ?」


いらない新情報が出たけど必要ないし。


「だってさ!集合時間11時だよ?なのにもう11時5分だよ?5分遅刻してるんだけど?もうこの時点で最低だけど。5分も……5分も………最低………」


マジで最低って顔してる、香織……

香織のこんな顔久々みたわ………

本気で進藤の株が下がってるんだな。

早く来い。進藤。




10分後………


「……………」


「……………」


香織はついに声にも言葉にも出さなくなった。

百舌鳥先輩は流石にキョロキョロし始めた。


「………進藤………」


「……………」


頼むから早く来てくれ。もう何か空気感がヤバイから………早く……早く……

晃太が祈り始めたその時………


ようやく進藤の姿が………マジで良かった!マジで良かった!


「ほら!香織!進藤来たぞ?」


「……………」


「進藤だって何かトラブルがあったんだよ!なぁ?じゃないと遅れないって………」


「今百舌鳥ちゃんに電車が遅延しててって言い訳してるけど。調べたところ電車が遅延しているところはないね。これ嘘だね。」


「何でお前話が聞こえんだよ?」


「百舌鳥ちゃんの鞄に盗聴機入れてるから。」


「お前……犯罪だぞ?」


「本人の許可アリだから。」


許可アリでも………


「嘘はつく。遅刻はする。謝り方も雑……もう私は決めた。」


「な、何を?」


「手加減しない。流石にあまり酷すぎたら可哀想だと思っていたけど………ここは100%手加減なしで指令する。絶対に進藤を男にして百舌鳥ちゃんを満足させる。」


その顔は真剣で………これから起こる波乱を予告するようだった。

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