第80話 リモートが増えたこの時代、なんでもリモートで出来るなら動く必要ないのでは?
一旦整理しよう。
まず俺と香織のぶっ飛んだ性事情が学園内に披露された。よくよく考えたらイカれてる状態である。どんな面して学校に行けというのだ。
あと進藤に彼女がいることが分かった。それも百舌鳥先輩、しかも一昔の恋愛をしていた。おじぃちゃんみたいな考え方……いや哲学みたいな考え方してたし進藤も進藤でずれてるんだな、と思った。
で、最後だよ。これが厄介で。
うちの学園の校長がアリス先輩のおじぃちゃんでしかも重度の孫ゾッコンで………あの様子じゃ忍先輩ぶち殺される………いや、あの人は大丈夫かもしれないけど……でも………誰が好きとかその好きな人と恋が成就したとか口が裂けても言えない。
はぁ…………1日の情報量オーバーしてるって………マジで………早く寝た……
「こうたん!こうた~ん!聞いてる?」
「聞いてるから……聞いてるから……てかもうやめね?」
時刻は22時。お風呂も入りさぁ寝るかと自分の寝室にいる晃太の手元にはライムの中で笑顔でこちらに手をふる香織の姿が。
「お前始め30分って言ったよな?」
「うん!」
「それが今なんだよ?今何分経ってるよ?」
「え~分じゃないね!4時間になるね!」
「もう切らせろ。」
「え~?まだ話さないといけないことあるじゃん!」
「もういいだろ?くだらない話ばっかりして……」
「嫁ってそういうもんよ?」
「嫁じゃないし。まず人のご飯の時もビデオで通話してくるのも」
「私も食べてたから一緒だよ!」
「そういうことではなくてな?」
「私はお風呂もトイレもずっとビデオ通話してるのにこうたんはすぐスマホを置いて逃げるから。」
「逃げてねーよ。ただお前がイカれてるんだよ!」
「どうだった?私のお風呂シーンは?」
「ウォークマン使って歌聞いてたから知らねー。」
「ひどい!めちゃくちゃいやらしい声とか出してたのに…」
「あ~耳を塞いでて正解だったな。」
「もう!ひどい!でもいいもん!こうたんがお風呂とかでいない間にこうたんの部屋スクショしたから!」
「何のために?」
「え?いつかくる共同生活の時にこうたんが持ってくるモノは何か調査してた!」
「キモい調査すんな。」
どんな使い方してんだよ。
「もういいだろ?寝たいんだよ。寝させてくれ。疲れたんだよ。」
「ダメダメ!」
「何で?」
「明日のすることあんだーすたん?」
「は?」
「ほらもう忘れてる。明日は百舌鳥ちゃんのデートの日だよ!」
「あ、そっか………それに付き合うのか……ダルっ。」
「アリスちゃん時みたいにガッツリいこうね!」
「手加減しろよ?」
「え?」
「一応進藤は親友なんだよ。親友にあんまりなことはさすなよ?」
「一般的なことをするだけだよ!」
「一般からずれてるてめえが一番いうな!」
何常識ぶってんだ。この野郎。
「ふぁ……もう眠いから切るぞ。」
「ダメ!」
「まだしゃべんの?」
「しゃべらないよ!ただ私も寝るだけ!これがリモート添い寝だよ!」
「電気代の無駄遣いだよ。」
「効率的使い方だよ。」
もうとりあえず寝させてくれるならそれでいいわ……もう。
「先寝ていいよ!私寝たら寝顔バッチリスクショするから!早く寝て!」
「今の一言で余計寝れなくなったわ……」
結局限界がくるまで耐え寝たのは深夜の2時だった。
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