第79話 可愛い娘、孫は目に入れても痛くないというがたぶん目に入れようとする行為をする時点であんまり好いてないと思う。
「待ってましたよ。さぁ、入ってください。お2人さん。」
陽気に入った香織も何のその普通に普通の対応で接してくれる校長先生。
「さぁ、座って。座って。お茶でも出そうか。麦茶しかないが大丈夫かい?」
「大丈夫!麦茶めちゃ好きだから!」
「そうかい。現代っ子は麦茶なんて飲むモノじゃねー、廃棄水だと思ってると思っていたが君みたいな子もいるんだね?感心。感心。」
何か感心されたけど………何?怒ってないの?てか麦茶への評価そんな低くし過ぎじゃない?ほぼどぶの評価だったよ?
「じゃあ和菓子もつけようか。饅頭でいいかい?」
「え、私こしあんじゃないと食べれないよ?」
「大丈夫……だね。こしあんだ。こしあんの饅頭だわ。食べれるね。はい。お嬢ちゃん。あ、そこの、立ってる君も。立ってる君も早くソファに座りな?立ってると疲れるだろう?」
「こうたん!スゴい!ソファふわふわ!めちゃくちゃ跳ねる!スゴいよ!」
お尻のままポンポン跳ねる香織。頼むから静かにしてろよ。常識無さ過ぎだろ……
まぁ、一旦ソファに座りながら考える晃太。
いや、もてなされてる。なんかフランクにもてなされてる………饅頭とか香織の言葉遣いとか全部許容してくれてる。
え、優しいの?優しい人なのか?優しい人なのでは?
「よっこいしょ……って。」
校長も椅子に座る。いや、ソファに座る。めちゃくちゃピカピカのセレブなやつ。語彙力なくて悪い。
それに座る。
「わざわざ来てくれてありがとうね。2人とも。」
「あ、いや………」
「来てくれて嬉しいなら饅頭もう一個ちょーだい!」
「あ、構わないよ。よいしょっと………まぁダラダラ話しても仕方ないし本題から入るな?」
「あ、は、はい。」
この饅頭脳ミソが。めちゃくちゃ知能低いやん。校長は手を組み少し声色を変える。
「君たちさっき校内放送に出てたね?」
「あ、見てたんですね………」
オワタ。
「生徒のつくったモノがどんなモノか見たくてね。そこで………ね。君たちに一点聞きたいことがあってだね……」
「はい………」
一点。セックスか?ラブホテルか?恋人として別れろとかそんな感じ?なら歓迎するけど………
「君たち姫百合アリスちゃんに呼び出されたって言ってたよね?」
「え?」
想定範囲外からの矢に面食らう。
「そーだお!ありふちゃんによばれたんだお!」
食うか喋るかどっちかにしろよ。滑舌ゼロ女。
「それはどんな用件で?」
「え、あーゴクン!えー、アリスちゃんが好きな人がいるなら相談したい………」
「アリスに好きな人?あり得ないあり得ない。」
「校長?」
様子がおかしい。
「あり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ない」
「校長?校長先生?」
ヤバイぶっ壊れてる………
「ワシの可愛い
孫が………恋?」
うん?孫?………え、校長アリス先輩のおじぃちゃん?
「あぁ………いつかはくるとは思っていて刀を家に装備しといて良かった………」
「へ?」
「その不届き者に一発いれないと心臓に槍を。じゃないとワシの気がすまない。
2人ともその不届き者の名前は?って……あれ?2人とも?」
呼ばれている校長の声を無視して逃げる晃太。もう手段は選ばずお姫様抱っこで香織を持ち運ぶ。
「何か私を盗みにきた怪盗みたいだね?ヤツは大事なモノを盗んでいきました。貴方の心です……ってね?」
今すぐ落としたいこのバカを。けどそんなのは我慢して今は逃げる。家まで帰らないと。情報過多過ぎるからな……
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