第77話 人の不幸は蜜の味、なら自分の不幸は何の味?

「ホント!男としてないよ!」


「まぁまぁ………そんな怒るなって……」


恋の伝道師様 香織氏。かなりのご立腹。


「あんなに人として男としてナヨナヨしてる人間みたことないね!どうして百舌鳥ちゃんはあんなのと付き合ってるんだろ!」


「あんなのって言うなよ………一応俺の親友なんだけど……」


「知ってるよ?知ってるけど知った上で……

やっぱり無いわ………って」


親友進藤ゴメン。彼女がめちゃくちゃ悪口言ってる………ゴメンな。


「あまりに時代錯誤過ぎない?お侍さんなのかな?それくらいピシッとしてるけど。半年経たないと手も繋がないってマジで意味不明なんだけど……」


「………まぁ………」


そこに関しては俺も内心少しひいたけど……

俺らは超特急でこなしたモノを

進藤たちは亀の歩みでこなしていく予定だったんだから………まぁスピードMAXに終わったお前らがおかしいで終わってしまうからそこはこっち側にも問題あるけど………

確かに堅いな………とは思ったよ。俺も。

声には出さないけど。


「だから私は救世主として2人を明日導いてあげるんだよ。明日の私は女神だよ!」


「あっそ………」


センセから恋の伝道師に救世主に女神。

いくつ彼女は自分の呼び名を増やすのだろうか………


「とりあえず帰ろ。」


「帰ろじゃねーよ。まだ授業中だろ?」


「授業は終わったし今日は短縮すぐ帰れるよ?」


「あ、そっか………今日は短縮か………」


「明日のデート尾行していかないといけないからちゃんと明日のコーデも考えないと。」


「え、俺も同伴?」


「当たり前じゃん!先輩カップルとして見届けるのが指名でしょ!」


「そんな指名しらねーけど………」


「とりあえず今日はこうたんは私の家ではなくてこうたんの家に帰……」


「よしっ!」


「まだ言い切ってないから来てくれてもいいけど?」


「いや、いや、結構です。マジで結構です。帰らせてください。」


もう何日自室に帰ってないか………帰りたい。久々に自室で一人で自由に寝たい。


「………まぁカッコいい服着てきてね?」


「よしっ!」


堪えられない喜び。横目の彼女が怖いけどこれは堪えられない。


「じゃあ早速帰ろう!クラスにレッツご」


キンコンカンコーン。


突然、急に、唐突に、鳴るチャイムの音……

そして………出てきた、いや聞こえてきた、いや、名乗ったのは………


「はい。みなさん。こんにちは。校長の姫宮 正(ひめみや ただし)です。一点だけ報告があって放送を緊急でやってます。

え~。

2年の社 晃太くん 同じく2年の沢 香織ちゃん。至急校長室まで来てください。大事な話があります。では。」


ピンポンパンポーン………


うわっ、進藤に隠れてたけど香織も色々暴露してたよな………


うわっ、人の不幸を楽しんでたら次は自分の不幸かよ。

最悪……


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