第69話 神に祈るもそこに神は居ず。神とはホントに存在するのか否か。
コンビニまで走らずただタンと歩いて時間をかけ、香織が食べたいもの全部買ってきた晃太。
そして申し訳なさそうに公園のベンチに座る、いや今から話す内容をどうにかして誤魔化そうとしている香織の元へと渡す。
「ほら。買ってきてやったぞ。香織さんや。」
「あ、は、は、はい。あり、ありがたい…」
「あれ?かおりんじゃなくてもいいのかな?」
「あ。いや、今はその……」
「今は何だよ?」
「今はそのあの何ていうか……それはいいかな……いや良くはないんだけど……」
「早く食えよ。冷めるぞ?」
「あぁ……」
「ほら早く食べろ。
そして早く諦めて吐け。」
「食べて……吐くの?ははは……面白いことも言うもんだ……」
「香織。」
「は、はい?」
「ふざける場面じゃねーことくらい分かるよな?」
「あ、あぁ……はい……」
「なら吐け。
百舌鳥先輩について知ってること全部。
吐け。」
諦めたのか香織は右手にシュークリームを持ちながら……この状況でもコイツ食うのかよ。と思ったが話がそれそうなので、無視して進む。
「百舌鳥先輩は……ちょうどこの前……学校で貼り紙が出された日のこと。」
「あの日に?」
「私はトイレにいたの。そこに……」
「君だよね?生徒会長に呼ばれた 沢 香織ちゃんって。」
「え?誰ですか?」
「私は百舌鳥。百舌鳥先輩と呼びなさい。それよりも」
「うわ。ちかっ。」
「それよりも貴方、毒を久々に食らった訳よね?」
「毒?あ~。あの貼り紙のことですか?」
「それにしては堂々としてるわね?」
「はい!だってこれで公に私たちの関係が皆にしれわたるんだから!めちゃくちゃチャンスですよ!」
「チャンス?なるほど。隣にいた男子 社 晃太くんだっけ?君たちは恋人なんだっけ?」
「恋人というより結婚将来を誓いあった仲です!」
「大きくでたね。」
「はい!だって2回も生でヤってるんですから!」
「うん?」
「え?聞こえませんでしたか?生でヤってるんだもん。2回も。って言ってるんですよ?」
「……それ言ってもいい訳?」
「もちろん!大々的にしていきたいですから!」
「ふ~ん……じゃあさ。私のお昼やってる番組に出てくれない?」
「お昼の番組?」
「いつも簡素な内容でつまらないんだよね。だから久々にゲストでしかも大爆弾持ってる君がぴったりだな!って。どうかな?当然社くんも呼ぶよ?」
「え~?それってかなりの人数が見るんですか?」
「全校放送だからね。」
「皆に伝わるね。」
「絶対に?」
「100%。」
「う~ん!じゃあ!出ます!私その番組に出ます!出させてください!」
「てな。訳で……えへへ……」
「……………」
自分で了承してるじゃねーか。
しかもばっちりと言質とられて………
ふざけんなよ、といいたかったが。
椅子に散らばる無数の空になった食べ物たちを見てるとそれすらもバカらしくなってきた。
あぁ……神様。俺はどうしたらいいんでしょう?てか、神様ホントにいます? いるなら何でこんなハードゲームにしたんですか?俺の人生………
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