第68話 百舌鳥は小さくとも力強く。

「私ちょっと寄ってもいい?帰りに?」


「いいけど………何か買うのか?」


「小腹が空いたからおにぎりとシュークリームと唐揚げとサラダと肉まんが食べたい!」


「それは小腹とは言わない。主食だ。夜ご飯あるんだろ?早く帰って食べてこいよ?」


「いやいや。足りないから言ってるんだよ!それにこーたんも私の家に来て食べるでしょ?」


「食べねーよ。」


「えぇ!」


「何で驚くの?」


「いやだってこーたんのお母さんとお父さんはたぶん用意してないよ?それでも帰るならコンビニで何か買えばいいよ。」


「何でお前がそんなこと…………あぁ………わかりましたよ。行くよ。お前んち行くよ。」


「お前ではなく?」


「………かおりんな。かおりんの家に行くわ。」


「よろしい!」


何もよろしくないんだけど………けど香織とうちのバカ親は同じ頭してるからホントに用意してない気がする………こんな知り方は求めてないけどな?


「じゃあコンビニにいく………」


「ちょっと待ちなさい!お二人さん!」


突然階段の上から聞こえてくる声。

それは………小柄な少女だった。


「誰?」

「あ………。」

「あ?」


今香織あ、っていいやがったな?

もしかして………こいつ………やりやがったな?何か………


「あの………お嬢ちゃん……俺らに何か用かな?」


「お嬢ちゃん?貴方私が誰か知らないの?」


「いや………知らないですよ………初めて会うんで……」


「はぁ~……」


何故か飽きれられてるけど……いや知らないといけない人物なのか?


「私は学園の数々のスクープを求める、スクープの探求者!

新聞部部長 百舌鳥 愛梨(もず あいり)とは私のことよ!」


「新聞部?百舌鳥?………うん?新聞部?新聞部ってあの毎月生徒のいざこざとか色んなスクープを書いてる新聞を貼り出す……」


「そう!私の仕事は使命はスクープを貼り出すこと!皆に真実を伝えること!」


自慢気に言ってるが………

この新聞部が報じたスクープは蚊のような小さいモノではない。

例えば サッカー部 斎藤 二股か?とか

柔道部 部長 テスト赤点!とか

灰カス またもや給料下がる!

とか人のつかれたくないとこを的確についてくるヤバイ奴で……まぁ最後のニュースは小さいしクソ野郎だからいいけど。

ともかくヤバイ奴。

何でそんな奴が俺らに………


「君たち、生徒会長に呼ばれたよね?」


「……………」


百舌鳥先輩の次のターゲットはアリスさんって訳か……


「それに君たち二回生でヤってるらしいね?」


「あ?」


何で情報が漏れてるんだ?


「だからそれについて私のやってる番組

気になるアナタに届け!に出てほしい、いや出てくれるって言ってくれたからそのことについて改めて確認に来たんだよ。まぁ、明日放送だし無理とか言わせないけど。」


「………それ知らないですけど。」


「いや、晃太くんだっけ?君の隣でそっぽ向いてる彼女 香織ちゃんが了承してくれたけど?」


「あ?」


睨むが……ぐるりと目を背ける。


「じゃあ明日頼むわね?じゃあ?」


百舌鳥先輩はそう言うとすぐにいなくなった……



静まりかえる2人の間。




「よしっ。大量に買い食いするか。それ買ってやるから……

全部吐け。バカ。」

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