第66話 バカの増殖 色ボケの増加
「と、いう訳で私五十嵐 忍はこの高校をうけ合格し副会長の道を進みアリスのために生きると決めたのです。」
「……………」
うん。一個一個処理していこう。
まず、小さいことから処理していこう。
「金髪やピアスは?」
「ブリーチはすぐ抜きました。ピアスの穴は塞がっていないみたいで、ほら見えますか?ちょっと穴が開いてるのが見えます?」
「あ、微かに………」
金髪ピアスとか小さい点は正直どうでもいいのだ。
「あの~……失礼なんですけど……よく高校受かりましたよね?」
「はい?」
少しピリッとした空気がするだけで怖い。この人元鬼。人外と呼ばれてた人なんですけど。
「いや、鉄追の……鬼?だった先輩が……勉強についていけなくなって不良になったのによく高校に受かったな~と……。この学校そんなに偏差値低くはないでしょ?」
「あ~そういうことですか。大丈夫でした。」
「でした?」
「元々地頭がそんな悪い訳ではないので大概のことは出来ましたしアリスの教えもあり…
余裕とは言えませんが合格はできました。」
「…………う~ん………」
はい。あ~そうですか!と納得するには早い気がするが………まだ質問はある。
「でも1生徒がよくそんな簡単に生徒会長と副生徒会長になれましたよね?そんな簡単なモノじゃ………」
「いえ。生徒会は立候補制で誰もあんな忙しいことしたくないと疎ましく思われていたようでかなり簡単になれましたよ?なんなら今からでも晃太さんたちも入れ」
「いえ。結構ですから。お気持ちだけ受け取りますから。」
「しのぶん?説明は終わった?」
「あ、はい。終わりました。たぶん納得はしてもらえたと思いますが……どうですか?」
「どうっすかね………半信半疑が一番なんですけど………まぁ……まぁ。」
「何?晃太くん?何の話?」
香織が聞いてくる。
「あぁ………まぁ後で教えるわ。」
「それよりしのぶん?今からホテル行かない?」
「ホテルですか?泊まりですか?バイキングとか?」
「違うよ?今からラブホテルでせっく」
「ちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょい!」
聞き捨てならないよ?今の言葉ぁ!
「アリスさん!香織に何を吹きこまれたか嫌だけど分かりますけど!実践しないでください!」
「だってこれをすれば全て解決してラブラブになれるって香織が……」
「全て壊滅してラブラブに成らざるを得なくなるんですよ!意味合いが全く違います!」
「じゃあラブホテルはやめてしのぶんの家でイチャイチャしたいな!」
「そのアリスさんの言うイチャイチャにはもちろんセックスは……」
「入ってるに決まってるじゃん!」
「だからダメなんですって!」
ダメだ。この人。たぶん怪しい壺とか簡単に買うような人だ。
「とりあえずセックスはやめてください。」
「なんで晃太さんがそれを?」
「完全に順番がおかしいからです!だからまずは恋人らしいことをしましょ?」
「あ~なるほど!プリクラの見せ合いとか!」
「それは恋人らしいのか分からないですけど………って……嘘。」
香織とアリスさんが見せ合うプリクラの写真それはどちらもバッグハグの写真で………
「あ!香織もそれにしたんだ!」
「アリスも?やっぱりこれだよね!」
めちゃめちゃ盛り上がる二人に対しポンっと肩に手を置く忍さんは………
「これから夫同士頑張ろうね。」
と握手を求めてくる。
いや。ふざけんなよ。バカかよ?
と心では思っていても所詮……
「そうですね……あはは……」
鬼を前に人間は成す術無し。
とりあえず笑うしかなかった……
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