第58話 嵐は突然起きるから嵐と呼ぶんだよ。
「ごちそうさまでした。生徒会長……いや…アリスさんのお弁当……とても美味しかったです。こんな御馳走をいただけて本当にありがたいです。更にアリスさんの唾液や爪、涙その他諸々が入っているなんて私にはもったいないくらい…………」
「あ~!あ~!あ~!あ~!あ~!わ、わ、私!少しと、と、トイレにい、い、いってくるね!」
「あ、え、あ、はい………」
「じゃ、じゃあ………」
慌てたアリスさんはスマホだけを持ち席をたった。いや、席をたった、というか飛んでいったように見えた………
「アリスさんの許容範囲がぶっ壊れたんだな……」
「まぁ、頑張ったからね!90点あげちゃう!私的に90点あげちゃう!及第点だね!」
「お前が上の立場なのがおかしいんだよ。お前は人類の中でも下………」
「てけてっけけー♪ビリビリバッ」
「OK。お前は下じゃない。普通より少し下だ。」
「下は下なんだ……」
「ビリビリバット振り回す時点で下だろうが。」
「ビリビリバットは愛の証!」
「はいはい…………」
狂喜の愛を頂く晃太を他所にそんなことより晃太には一つ気掛かりなことがあった。
「なぁ。香織。」
「なに?ダーリン?」
「まだその設定生きてたんだ。まぁ呼び方なんてどうでもいいけど………俺ちょっと気になることがあるんだけど………」
「あ、分かった!私がこの頃食べる量が増えた話?それはもしかしたら新たな生命が産まれる兆しになるかもしれな」
「そんなこと知らないしそんなこと気にしてないし、俺にとってはとってもバットニュースなんだけど?」
何その恐怖の報告。いらない。いらない。怖いタイムリミットが進んでるのが嫌なんだけど。
「そこじゃねーし。お前は気にならないのかよ?忍先輩について。」
「忍先輩?何か変かな?私は何も思わなかったけど?」
「いや………変だろ……」
晃太は気になったことを吐き出していく。
「なんかアリスさんに従順過ぎるというか………何か変だというか……」
「従順?」
「だって普通食べないだろ?あんなヤバイ弁当。しかも完食するなんて……おかしいだろ?」
「そこは晃太くんが変なんじゃない?あれが普通の普通な男子高校生の姿なんじゃないの?」」
「うんな訳あるか。あの副会長………なんかあるって」
20分後。
「遅いね?アリス。」
「まぁ……あの人のことだから迷ってる可能性もあるけど……」
ライム♪
「あ、ライムが鳴った!たぶんアリスだよ!もう何?もうどうした………え?」
笑顔の顔の香織の顔が曇る………
「どうした?」
「これ………」
香織の見せるライムの画面には……
た す け て
と。
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