第52話 貴方はどちらがいい?って聞かれてどっちもってホントのこと言うと飽きれられるの気に食わないんだけど。
「で、何を買いに行くのですか?」
「あ、あ~……新しいシャーペンをね……生徒会長としてやらないといけない仕事がたくさんあるからね……」
「流石です。流石生徒会……あ、間違えました。アリスさんです。」
「ヒョ!」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫………え~と文具は二階だなぁ。い、い、いくよぉ。」
「大丈夫か………?」
「ほら心配してるじゃん!」
「違う意味で心配してんだよ………」
かけている伊達メガネを少し下げらながらアリス、忍を見ながら晃太は話す。
「一回一回アリスって呼ばれる度に奇声をあげてるのは大丈夫か、って心配してんだよ。」
「慣れてくるでしょ?慣れてくるのを待つしかないでしょ?」
「ライムでそこの注意とかしないわけ?」
「注意とかしなくていいでしょ?」
「…………お前ホントに手助けする気あるか?」
「ありありだよ!大丈夫大丈夫!もう指示なら送ってあるから!」
「は?」
「ほら!見失わないようにいくよ!」
香織は外していた伊達メガネをまたつけながら話し歩き出す。
なんだよ?指示って…………
「ここが文具コーナー………」
「そうですね。」
「……………」
「せ、アリスさんは入ってゆっくり探して来てください。私はこちらで待たせていただきますの」
「いや!ついてきて!」
「え?何故………」
「何故…………?……………とりあえずついてきて!」
「あ、アリスさん?」
服の袖を引っ張り無理矢理文具コーナーに引き連れてくるアリス。
「はぁ………はぁ………ついた………」
「はぁ………?」
「ここからが本番。頑張れアリス。頑張れ私。」
「せ、アリスさん?どうしたのですか?」
「うん!」
アリスは2つのシャーペンを提示してきた。
一つは星のデザインの青のシャーペン、一つは月のデザインの赤のシャーペン。
「どっちがいいかな?」
「どっちが………とは………アリスさんの意見は………」
「私の意見はどうでもいいの!忍の意見が聞きたいんだから!」
「わ、わ、私の意見………そんなモノどうなるんです………」
「とりあえず!どっちがいい!」
「あ、え、えっと…………青のシャーペンですかね?」
「青のシャーペンね。」
「あくまで私の意見ですのでアリスさんの意見を尊重してくださ」
「よしっ!じゃあ青にする!」
「え、いいのですか?そんな簡単に決め」
「し、忍もこのシャーペン買いなさい。」
「へ?」
「生徒会長命令よ。」
「え、いや………その私はシャーペンとかまだ間に合ってますけ」
「一番古いシャーペン折ってあげるから!」
「いや、そこまでしなくても買いますけど。
………買えばいいんですね?」
「買って。」
「わ、わかりました………」
2人は同じ青の星のシャーペンを買うことになった。
「よしっ!同じモノ買う作戦成功だね!」
「……………」
「どうしたの?」
「いや…………無理矢理過ぎないか?」
大丈夫か?最初の初歩から………
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