第51話 ピュアは一番の可愛さ。
「さっ!私たちの仕事が始まるよ!」
「あ?仕事?」
「え、何言ってんの?私たちの仕事を忘れたの?」
「……………」
「2人のデートを見届ける。そして随時助言をいれていく!このライムで!それが私たちの仕事っ!しかもバレないように!」
「あー………そう言えばそんなこと言ってたな。」
今日日曜日なのに。せっかくの休みなのに。今までの疲れとか残ってるのに………呼ばれた理由はそうだった。デートの見届け。
アリスさんの恋路の応援。
「今日で告白までいくからね!」
「マジ?アリスさんの前の様子から見たら好きって伝えることすらムズそうだったけど?」
「大丈夫!私が昨日ライムの電話でしっかり助言しておいたから!」
「あ~………一気に心配が勝ったわ。」
「何でよ!」
プンプンする香織だがいやそうだろ。人に二回言い方悪いがレイプした女だぞ?そんなヤツの助言が普通だとは思わない。思いたくない。
「まぁ!ともかく近づいて話を聞いて見ようよ!」
「おい。素でいく気かよ?」
「大丈夫大丈夫。こんな時のために変装道具持ってきたから。はい!」
香織から渡されたのは………
「ナニコレ。」
「え、何ってアフロとサングラスだけど?」
「何でアフロとサングラスなんだよ?」
「それは古今東西バレないようにするための変装と言えばアフロとサングラスと決まってる………」
「どこの古今東西だよっ!」
「あ~アフロ2号!」
「アポロ13号みたいに言うなよ。」
なんだよ。アフロ2号って。
「アフロにサングラスつけた2人組とか余計悪目立ちするから。とりあえず帽子と伊達メガネくらいにしとけ。ほらお前の分も持ってきて良かったわ。」
「わぁー………晃太くんの伊達メガネに帽子だぁ!………あむ。」
「何故に噛む?噛むな。噛んでる場合じゃないんだろ?ほらなんか喋ってるから近づくぞ?ちゃんと被れ。ちゃんとかけろ。ちゃんとした使い方をしろ!」
「わ、わ、わ、悪いわね。休日に呼び出して……」
「いえ。全然構いません。暇でしたので。それに生徒会長の頼みとならば断る訳にはいきませんから。」
「い、いや………あ、ありがたいんだ………けど……………」
「うん?どうかしましたか?」
「いや…………その……………あの…………その……………」
「どうしたんですか?何か言いにくいことならば言わなくても大丈夫です………」
「忍」
「はい?」
真っ赤になりながらそう呟く。
「今日は私はそう呼ぶからし、忍も生徒会長ってナシ。あ、あ、あ、アリスでいいから……」
「そ、そんな………出来ない………」
「生徒会長命令よ!」
「あ、は、はぁ………わ、わかりました……アリスさん。」
「むにゃ?」
奇声をあげるアリス。
「じゃあ行きましょうか?」
「いや、そ、その前に………」
「まだ何か?」
「し、し、忍の今日の服似合ってるわね!」
「あ、は、はい。あ、ありがたいです。生徒会長の」
「アリス………」
「あ。あ、アリスさんの服も似合ってますよ?」
「どう似合ってる?」
「どう似合ってるかですか?」
「か、か、か、可愛いとか綺麗とか色々あるじゃ」
「あ、可愛いですしお綺麗です。」
「ヒョン!」
「どうしましたか!生徒会……アリスさん?」
ふらつくアリスに心配する忍。
「い、いや………大丈夫だから………じゃあ……行きましょうか………」
と言い合い2人は歩いていった。
「なんかほっといても大丈夫じゃね?」
「ダメダメ!ブルブル震える子鹿を助けるかめに私たちはいくんだから!さぁ!いくよ!」
何かさっきの雰囲気甘かった。いや甘すぎたんだけど?大丈夫じゃねーか?
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