第50話 復活して50話まで来たんだなぁって感慨深くならない内容。それが誕プレ。
日曜日。6月にしてはじめじめしてないで暖かいいい天気。
そんな日に。
「アリスまただね?」
「……………」
「アリスまだ来ないね?ね?晃太くん?」
「当たり前だろっ!」
「おぉ………朝イチにしてはスゴい声量だね?」
声量も出るわ。だって
「アリスさんと五十嵐センパイのデートの時刻は何時だよ?」
「え?10時?」
「で、今は?」
「8時55分になったところだね!」
「来るわけねーだろ!バカっ!」
「バカは酷くない?」
「バカにバカって言って何が悪いんだよ?誰が一時間前に集合するんだよ?」
「あーあー耳がいたいよー。大声デカイなー。」
あーあーと言いながら耳をポンポンする香織。
絶対に反省してねーな。こいつ。
「はぁ……………どうするんだよ?こんなとこで一時間も待つのかよ?もう………何かジュースでも買ってく」
「ちょっと待って!」
「なんだよ。バカ。」
「いや、バカは私だけじゃないかもよ?」
「は?」
香織が指差す先には………
「五十嵐……センパイ?」
目をごしごしするけど、あれはどう見ても…
あのメガネと細い体とイケメンは………
「まだ9時になってねーぞ?マジか……」
センパイの格好は黒一色ででも変には見えずにめちゃくちゃカッコいい………
いやいや、そうじゃなくて………
「まだ一時間もあるのに来たのかよ?マジかよ?」
「センパイカッコいいね!決めてきてるね!まぁ晃太くんの方がカッコいいけどね!?」
香織の言葉も今は届かない。びっくりが勝っている。
「マジですげぇよ………嘘だろ………こんな早く来てどうす」
「あ、待って!」
「なんだよ?一体?」
「私は多数派みたいよ?」
「は?」
「バカじゃないかもよ?」
「バカじゃないってなんだ………」
指差す先には………
「アリスさん………?」
真っ白い服に着飾った天使みたいなアリスさんが来ていた。
「あのさ………」
「うん?」
「9時だった説ない?」
「いや?10時だよ?ほらライムにほら!」
ライムには確かに10時だと書いてある。
「嘘だろ?」
嘘だろしか言えない。
「てかデートは一時間前に集合ってルールあるわけ?」
「ないけど。あるにはあるんじゃない?」
「答えになってねーんだよ。」
デートって難しい。てか恋って難しい。てか恋愛って難しい。
「まぁ、私たちは一緒の家から出るから待ち合わせとかないんだけどね!ちょっと憧れるけどね!」
「………もう知らねー。てかわかんねー。」
恋愛ってモノは難しいモノなんだな……
改めてそう思った。
遠くに見えるオセロみたいな美少女美男子を見ながらそう思った。
……マジでオセロみたいだけど目立つのは顔だな………イケメンと美少女だな……マジで二人とも………
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます