第49話 土日の予定を勝手に決められると萎える
見た目ヤンキーが喋ってみたら意外といいヤツでって例はよく聞くし人は見た目によらないってよーく分かるけど……けどさ。
人の噂はどんどん小さいモノから大きいモノへと変化していくということも理解してるけどさ。
「お願いっ!お願いっ!お願いいたしますっ!」
目の前で必死に頼み込む学校によると姫の毒、とやらは毒どころか薬じゃないんかいと思ってしまうくらいで………
いや~人の噂を鵜呑みにしたらダメなんだな………って改めて理解した晃太だった。
うん。理解はしたけどこっからどうする……
「いいよ!」
「「へ?」」
「いいよ!私がアリスちゃんの恋の成就のお手伝いしてあげる!」
「ホントに?」
「ホントだよっ!って、何?晃太くん?」
「お前そんな簡単に引き受けんなよ!マジで!」
「何でよ?困ってる人がいるなら助けるのが人というものでしょ?」
「それは出来るヤツがすることな」
「出来るから!」
「は?」
自信満々にそう胸を張る香織。
「まず!アリスちゃんに聞くね?五十嵐先輩のためならなんでもする覚悟がある?」
「覚悟?覚悟………覚悟は………あるはず。」
「うん!じゃあ大丈夫だね!」
パンっと手を叩く香織は
「じゃあこうすればいいんだよ!
自分の部屋か相手の部屋かに行って、
生でセックスしたら全部かいけ」
「悪魔のアドバイスすんな!アホが!」
「いてぇ!」
首に手刀を与える晃太。
「何?酷く早い手刀だったよ?私じゃなければ見逃してたよ」
「見逃してんだよ!だから当たってんだろうが!てかお前のアドバイス酷いんだよ!使えるか!うんなモノ………」
「あの………」
「アリスさん言ってやってください。そんなバカなこと出来ないって………」
「あの………私の家は諸事情でダメで五十嵐の家は知らないんだけど………その場合はどうしたらいいのかな?」
「アリスさん?」
そこじゃない!絶対にそこじゃない!
「じゃあ…ここ使えば?だってここなら誰も来ないし絶好の場所じゃん。絶好の場所じゃん!ホントに!ね!晃太くん私たちもここでしようか?」
「なるほど………」
「バカなこと教えんなって!アリスさんも真面目に受けないでください!」
アリスさんが目を輝かせている。ホントにそうなんだ。って勝手に理解してる顔だから!ヤバイ情報が先にインプットされたらダメだから!
「え~と。アリスさん?ここは無難にデートに誘ってみるのはどうですか?」
「で、デート?」
アリスさんが真っ赤に染まる。さっきので真っ赤に染まってもいいと思うんですけどね。
「デートなんてカップルがするモノで……私が出来るモノじゃ………」
「何か理由づけしたらいいんですよ?何か買いに出かけるからついてきてほしいとか」
「な、なるほど………」
「土日のどちらかに誘えば問題ないでしょ?」
「確かに………」
力説が効いたか?ならさっさと終わらして…
「大丈夫だよ!私たちも後ろでバレないように見に行くから!」
「え?」
それは知らない情報なんですが?
「私もちょっとしなければならないことがあるからね!一緒に行くよ!」
「沢さん………」
「香織でいいよ?」
「じゃあ……香織………ありがとう………」
「私もアリスでいくから!」
「うん!」
いやいや、二人だけで話が進んでいるし……
待てよ。勝手に土日のどちらかの予定が埋まったんだけども。ゆっくりさせてくれよ……
「あ、後いい情報をアリス教えるよ!お弁当なんだけどね?自分から出たモノを入れるといいんだよ?例えば血とか………」
「黒魔術教えんな!」
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