第48話 人の噂は役にたたないモノばかりで使えない。

「ねぇ~!どうしたら貴方たちみたいなカップル、恋人、夫婦になれるのぉ~?」


顔を近づけてきて香織に抱きつくアリスさん。

いや、夫婦じゃないです、って否定したかったけど今はそんなことより現状整理が大事だ。

え~。頭を回せ。え~っと。俺たちは姫の毒でここに来たんだよな?でその後にデートの話をしたら………


「ねぇ~!どうしたらいいのぉ~?」


泣きそうになる彼女を見る。うん。

理解出来な………


「あ、分かった!」


横でポンっと手を叩く香織。


「アリスちゃん。好きな人いるんでしょ?」


ズサササササァ。

………びっくりした…………まるでGのようなスピードで後ろに下がり後ろの棚にぶつかるアリスさん。頭には落ちてきた紙がかかってくる。


「な、な、何故それを………ってあっ……」


口を手で押さえしまったという顔をする彼女。そこに香織はぐいぐい突っ込んでいく。


「しかも相手は五十嵐センパイ」


ドンッ!

次は小さい箱みたいなモノがアリスさんの頭の上に落ちてくる。おいおい……これ以上したら段ボールぐらいのモノ落ちてくるんじゃねーか?アブねーよ。


「な、な、な、な、な、な、な、何故……それを…………?何故…………分かるの………?」


「そりゃあ分かるよ!だってアリスちゃんが関わってる男子って五十嵐センパイぐらいじゃんか?」


「あ、た、た、確かに………」


「で、どこら辺が好きなんですか?」


「え、え、え、え、え、え…………全部?」


「分かるわぁ~。私も好きなとこありすぎて選べないんだよね~!」


「そ、そ、そうだね…………」


「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください!」


「何さ?晃太くん?今から完全なコイバナな始まるというのにっ!」


「いや!そこが問題なんだよっ!」


「何が問題?」


「生徒会長。いや、百合姫センパイ。俺たちは姫の毒で呼ばれたんですよね?」


「姫の毒?何それ?」


「百合姫センパイに呼び出しを食らった人を総称したモノですよ!」


「え、毒とか思われてたんだ………ショック。」


ちょっと悲しそうな百合姫センパイ。だけどホントのことだし。てか本人公認じゃないんかい。まぁ、こんな呼び名公認しないだろうけど。


「で、その呼び出しで俺たちを呼んだんですよね?」


「うん。呼んだね。」


「それは俺らの学校の休んだ理由とかのせいですよね?」


「いや?違うよ?」


「……………違う?」


「私がホントに呼んだ理由は…………



私の恋の成就をしてもらうため


だよ!」



「おー♪」

「……………」


え?なんじゃそりゃ。

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