第47話 スイッチのオンとオフが激しいとヤバイ人みたいに思われる。
そこには美少女がいた。
いや、美少女というモノで語ってもいいのか分からないけど。艶やかな髪に大きな目、引き締まった体のパーツ一つ一つ、人間というか天使に近いような………
「い、いたた!いたた!痛い!痛い!頬痛いから!」
ぼーっとアリスさんを眺めていると横にいた香織から頬の詰めがくる。
「いてぇよ!香織!」
「………………今アリスちゃんに見とれてたでしょ?」
ギロッと睨む彼女。
「ちょ、アリスちゃんって………生徒会長だぞ?そんな言い方………」
「私の晃太くんを取るヤツは全部敵だから!シャアー!!この泥棒猫っ!」
「や、やめろって………香r」
「とりあえず2人とも座ってくれるかしら?」
初めて発した生徒会長の声は意外と低く、
「そこのソファに座ってくれたらいいから」
より怖さが増した。
「五十嵐。お茶を」
「分かりました。会長。」
五十嵐さんはそう言うとすぐにお茶を用意しついでに茶菓子まで用意してくれた。これは…………羊羮かな?
「お食べください。」
「え!いいのっ!ちょうどお腹減ってたんだよね!何だ?意外と話分かるじゃん?泥棒猫ではないみたいだね?いただきまーす!」
「………………」
羊羮一個で人に流される我が彼女が可哀想に見えてくる。
「じゃあ………本題に入るわ。」
アリスさんは直ぐ様話題に入るようだった。
ちょっと間があってもいいのに………
「君たち社 晃太と沢 香織の2人は付き合ってるの?」
「付き合ってますよっ!」
「そう………付き合ってるのね?」
「将来を誓いあった仲です!」
「へ~………」
アリスさんの眉間のシワが寄る。
「で、ある教師から聞いたのだけど。」
「灰センでしょ?知ってるよ!」
「………あ、そう。なら貴方たち指輪を買うためだけに学校を休んだのね?それは本当?」
「本当ですよっ!しかもラブホテルも行ったり………もごっ」
「余計なこと言うな。」
地雷を踏み抜いていくなよ。頼むから。
「へ~……………………で次の日はずる休み?」
「その日に親に報告したんです!私たち結婚するんだよ!って!」
「嘘つくな!頼むから嘘をつくな!」
地雷じゃないな。爆弾をくるくる指で回してやがる。怖。
「……………つまり貴方たちは結婚まで順調にいけばいけるって訳ね?」
「そうだよ!だってセックスしてるし!二回!生で!」
「え?」
「……………」
あ、爆弾落ちた。
「お前さぁ~!?」
「何で馬乗り?え?今セックスする気?意外と積極的………」
「しばくぞ!頭イカれてんのか!?」
首を絞めてやろうかな?と思ったその時………
「五十嵐。」
「はい。」
「少し席を外してくれないかしら?」
「へ?」
「いいって言うまで入らないでもらえるかしら?」
「へ?それは何故………」
「生徒会長命令よ。外に出て話が聞こえない位置までいなさい。」
少しまた低く声にしてアリスさんは言う。
「わ、わ、分かりました…………」
少し不思議そうな五十嵐先輩が出ていって、
数秒経った時だった。
いや、ガラガラと扉をしめて足音が遠くなった瞬間だった。
「ねぇ~!どうしたら貴方たちみたいなカップルになれるのぉ~?」
「へ?」
「うん?」
生徒会長百合姫アリスのスイッチが変わったのは。
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