第42話 姫の毒

「手を繋ごう!」


「あ、そうっすか。」


「するの!」


「あ、はい。了解です。」


手を出し恋人繋ぎをする晃太と香織。


「ウフフ!」


「……………」


「ウフフ!ウフフ!」


「……………」


「何すか?一体。」


ずっと笑ってる香織。


「だって!恋人になれたんだな!って!嬉しすぎて!嬉しいです!嬉しいです!嬉しいです!」


「怖い怖い。急な敬語怖いし。」


「この光景を皆に見られたらついにっ!って思ってくれるでしょ!」


「ついにってなんだよ?」


「ついに晃太くんが諦めたんだな!って」


「言い方が悪いよな。ホントに。お前は。」


諦めたって戦いじゃねーんだから。


「恋愛は戦いだよ!」


「心を読むな。」


何で普通に平然とよめるんだよ?意味分からないから。


「とりあえず!」


「うわっ!急に引っ張るなよ!」


「学校まで早くいこっ!で皆に見せつけよ?指輪もそうだし!」


「いや、見せつけるって………そんなことしなくても………って痛い痛い!」


引っ張られる、いや引きづられるまま学校への道を歩く………いやほぼ走っていたけどね?走り出した。





その異変に気づいたのは学校についてすぐだった。


「なんだあれ?」


人の山、波?が一ヶ所に雪崩れ込むように集まっていた。


「何だろう?そんなことより私たちのこと気にしてほしいのに………」


「いや、別にそこはいいんだけど。何だろうあ」


「やっと来たか!晃太!」


「進藤?」


「やっと来ましたか。香織様。」


「岳松くん?どうしたの?」


進藤と香織のファンクラブリーダーの岳松こと門左衛門ははぁはぁっと汗と息を乱している。


「あ、そうだ!2人に報告があるんだよ!なんと私たちついにやってつきあっ………」


「「そんなことはいいから早くあの人の中に入ってくれ!(くだされ!)」」


2人、進藤と門左衛門は同じ言葉をそう言って吐き出した。そして


「ちょ」

「何?」


進藤は晃太を、門左衛門は香織を引っ張りながら人の山?波?の中を突っ切っていく。


「ちょ、進藤!説明不足過ぎるって!」


人にも当たるし手も当たるし鞄もボコボコ当たる。


「痛いし!痛いからちょ、ちょっとストップしろよ!」


それでも人を掻き分け進んでいく。


「何だよ?何がしたいんだよ?お前は?って」


ようやくやっと出た時、目の前にあったのは

掲示板だった。

そしてそこには


2年の社 晃太 同じく2年 沢 香織

今日の昼生徒会室に来てください。

会長の百合姫 アリス(ゆりひめ ありす)様がお呼びです。


そう真っ黒い紙に白い文字で書かれた貼り紙。


「なんじゃこれ?」

「何?これ?」


「お前ら知らねーのか?百合姫 アリス 生徒会長で姫の毒を時々出す人のことを?」


「生徒会長?姫の………毒?」





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