第41話 最低最悪で人生で一番長い日の始まりは始まりからカロリーが高い。
朝。
起きたらしっかりと用意された学生服と今日の授業の用意。
「……………」
「あ。起きたの?」
「おばさん……」
「朝ごはん出来てるわよ?食べなさい?」
「あの?」
「ん?」
何か言いたいの?的な顔の香織のお母さん。
「あ、いや………いいっすわ………」
「あ、そう?なら早く来なさいよ?」
そういって朝ごはんの方に向かっていく。
「………この学生服とかの用意はうちのバカ親が用意したんだろうな………もう聞かなくても分かるようになったわ。」
ホントに残念な両親だこと………
で学生服とかだけ置いて奴等は帰ったという訳だな………勝手だな………勝手にもほどがある………
学生服に着替えながらそう考える晃太。
そして朝ごはんがあると思われるリビングに………
「おはよ~!晃太!」
「おはよう。晃太。」
と人の家で朝ごはんを食べるうちのバカ親の姿が………
「何でいるんだよ!」
「だって昨日からいるじゃん?」
「学生服とか用意してあっ」
「朝用意したんだよ。一旦帰って。」
「一旦帰ってんなら帰れよ!」
「だって………」
「うん?」
何か強く溜め込みながら………
「だって2人が恋人になって初めての登校でしょ!見たいもん!」
「右に同じ」
「同じく」
「………まぁ。」
大人全員同じ思考かよ…………
待てや。
「準備できた?」
「出来たよ!」
「じゃあしっかり確認しますよ!」
「うん!」
「学生服!」
「着てる!」
「水筒!」
「ある!」
「指輪!」
「いてぇ!急になんだ………」
指と指を合わせハートをつくる香織。
「ある!」
「よしっ!」
「よしじゃねーよ!」
「お弁当!」
「私の手作りがある!」
「え、香織の手作り?」
「そうだよ?愛を込めてるよ!」
「……………」
げんなりした顔をするが香織たちは無視無視。
「よしっ!最後の確認!」
「はい!」
「彼女!」
「香織!」
「彼氏!」
そう言って全員がこっちを見る。
「何?」
「彼氏!」
「え?」
「確認!」
「え?」
「香織!」
「うん!」
「彼女!」
「香織!」
「で、彼氏!」
え、言うの?めんどくさっ。
けど言わないと許されない感じだし………
「彼氏!彼氏!」
「あ、はいはい。晃太。」
「よしっ!確認完了!2人とも行ってらっしゃい!」
「いってきま~す!」
元気な挨拶の香織。
もうこれだけでカロリー高いし疲れたんだけど?何が彼氏はーい!彼女はーい!だよ?めんどくさっ。けど皆にこやかだし………何故ににこやかなの?何回も言うわ。カロリーも高いしもう疲れたわ。ノリに。
だが晃太は知らない。
これからの1日が過去一番疲れる日になることに…………ノリも心も体も疲れまくることになるのだが……まぁ、すぐに気づくのだがな………
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