第39話 海賊の宴は良さげだけど山賊の宴はなんか怖い。

テーブルには寿司が刺身が魚の煮付けが、魚料理のオンパレードがヤバイ量ある。隅に唐揚げとかもあるけどさぁ…………


「いや。一歩を踏み出した訳だな。晃太くん。流石私が見込んだ男だ。」


強めに背中を叩く大五郎さんの姿が。バンっ!痛いんですけど?


「今更何言ってるの?うちの息子はヤるときはヤる男だよ!何を今更………で3回目はどうヤったの?」


「黙れ。クソ親父。」


頭の中それだけか。


「貴方!そんな聞き方したらダメよ!」


母が訂正に入


「どういう体位でしたのかを聞かないと…」


「どっちもバカだと取り返しつかないなぁ!」


誰が体位の話をするんだ。この場で!


「てか、ヤってねーんだよ!」


「ヤってないの?香織からは記憶がないときにヤられたからその罪滅ぼしで彼氏になったんじゃないのかって推測だったんだけど?」


「どんな推測ですか!それ軽く法に触れてますからね?」


レイ………言わないけど。今更言わないけど。


「だってさっき言ってたじゃん?晃太くん罪滅ぼしって?だからそうじゃないかな~って!」


確かにさっき言った罪滅ぼし。だが


「そんな罪滅ぼしの仕方はしねーよ!」


「じゃあ今。ここで真実をどうぞ!」


「ちょ、ちょ、ちょっと待てよ………」


「皆~!箸をおいてぇ~!」


順々に箸をおいていくバカども。

そしてこっちに体勢を向けてくる。

その数5。

圧が強いし目力が強いなぁ。


「さぁ。準備は出来たよ?」


「俺の準備は出来てない。」


「じゃ初めてもらいましょう!5分以内に喋らないなら明日学校でセックスすることを義務づけるから!」


「バカな義務づけ止めていただいていいです?バカなこと決めつけるの止めていただいてよろしいです?」


「決定権は私にあるんで。話してない分晃太くん立場低いんで。」


「……………」


無茶苦茶な理論だ。


「さて話してください!それとも喋らずに学校セックス開幕する?」


「するか!バカ!何で嬉しそうなんだよ!」


ニコニコすんな。満面の笑みをするんじゃないよ!

はぁ………とため息をついて心を、覚悟を決める。


「じゃあ話しますよ。」


晃太は

いじめられていた香織のこと

その香織が掲げていた目標を晃太の彼女になるために達成したこと

だがそれが逆に晃太を苦しめることになっていることに気づいたからもうやめる。もう彼氏彼女ごっこはやめると言い出したこと。

そしてそれに感化された、昔のこと小学生の頃のことそして失礼な質問をしていた時のことを思い出してキスで唇を奪い彼氏宣言をしたこと。

すべてを話した。


「てな訳でこんな感じなんですけども………うん?皆さん?」


反応がない。何故?全員反応がない。何故に?何故に反応がな


「「「キャーーーーーー」」」


おばさん2人と香織の甲高い声が耳をつんざく。


逆に男どもは何故に?胸を殴る。強めに。何故?


「凄い話ね!映画に出来そう!」

「流石私の娘だ!なんでもやればできるんだな~!」

「よく言ったな!晃太!男だ!男をあげたな!」

「もう私に言うことはないな。次は結婚の挨拶か?」

「そうか………お酒を飲むと私はパワーアップするんだ………うんうん。これは使える情報だ!」


各々が話す空間はうるさくて仕方ない。

ガヤガヤと祭りかな?祭りなのかな?


「あ、そうだ!皆聞いてほしいモノがあるんだ!こうやって彼氏になってくれた晃太くんの私に向けたラブソングがあるんだよ!」


「うん?」


「じゃーん!カラオケで撮ってきたの!聞いてみて!」


ポチっ。


あ、カラオケの音楽だ。

って


「何をどさくさに紛れてやってんだ!この野郎!」

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