第34話 決めの悪い男はモテない
「おしまい。おしまい。」
「って………ちょっと待てよ。」
「待ってます。待ってます。ずっと待ってますよ?私は。ずっと。あの時誓った時からあの言葉からで。晃太くんは覚えていないだろうけ」
「覚えてるよ………いつも小さい声でしか学校では喋らないお前がいきなり大きな声を出したからビックリして覚えてんだよ。」
「一応覚えてはいるの?」
「あぁ。」
「でもこれも私の意地悪で悪いところ。」
「へ?」
「確かに私は変われた。」
「変わったよ。お前は。」
豚と呼ばれていた体はボンキュッボンの体に
貞子と言われていた髪もまるで絹のような髪に
ファンクラブも出来てたし。
学年でも上位の成績をランクインしている。
今思い出したが以前こんなことを聞いたことがあった。
「な~香織。お前は何でそんながんばるわけ?」
「頑張ってないよ?普通じゃん?」
「ハイスペックはこういうからめんどくせぇ。お前は充分ハイスペックだろうし皆から憧れの的だろうが?なんなん?そんな目立ちたいわけ?」
確かにその時香織は少しムッとした顔をしていた。だがすぐに顔を戻し。
「目立ちたいわけじゃないよ?」
「じゃあなんなん?」
「約束だよ。」
「あぁ?」
「約束だよ。誰も聞こえてなかったか誰も覚えてないただのつまらない約束だよ。その約束を守るためだけだよ。」
「約束?なんだそ」
「はいはい。次は移動教室でしょ?いくよ?」
「ちょ、待てよ。香織?」
そのときは気づいてなかったが約束をしていたのは俺でそれに気づかず香織に的外れなことを言っていたのは………
晃太のほうじゃねーか。
「やっぱりでも話さないと分からないそんな次元で忘れてた約束なんて役にたたないよね?私………決めたよ。私、晃太くんとの結婚やめる。皆に言うよ。私の悪ふざけのせいで振り回してごめんなさいって。でももう大丈夫だよって赤ちゃんも出来たら私一人で何とかす」
今にも泣きそうな顔でいう彼女の口を塞ぐ。
晃太は彼女の唇を唇で塞ぐ。
そして……………
「俺の負けだよ。俺の負け。女を泣かすのもどうかと思うしまず俺がだいぶ失礼なことをしていたことが分かったし。」
「……………!
「このままじゃお前の苦労も無駄だし。まず俺が屑過ぎる。だから迷惑料じゃねーけど。折れてやるよ?けどまだちゃんと思っておけよ?俺がオッケーしたのは恋人だけであってまだ結婚とか赤ちゃんとかそんなレベルにはいないって………」
バタン!
「香織?香織?どうし………」
酒のせいかキスのせいか彼女は情けない顔でその場に倒れこむ。
そして気絶したように倒れている。
その姿を見て晃太は…………
「この判断が間違ってようがなんだろうがいく道にいっただけだよな………神が示す道に………」
神様は何を考えてこの道を選んだんだろ?
適当にピース選んでない?
あ~、頭痛い。これから。いや、これからが一番めんどくせぇ………
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