第33話 昔話にでてくるキャラにも用注意

香織 小学4年の頃 今から何年経ったろう。

彼女は いじめをうけていた。

いつも決まった奴等に標的にされ殴られたり蹴られたりしていた。

今日もいつものように………


「アンタみたいな豚見てると目が腐るのよね~。だからどっか行ってくんない?」


主犯格の女子 綾崎 翠(あやさき すい)は笑いながらそう言う。回りにいる数人の女子もその言葉にクスクス笑っているようだった。


「じゃあ………私に構わないでどっかにいけば……」


「何?私に指図する気?ふざけんじゃないわよ!この豚!貞子!」


香織の髪を踏みつけて泥々にする翠。

その姿を見てまた笑いが起こる。

そのループに入りそうだった。


誰か…………助けて…………!


そう香織が心で唱えると………

ドスン!

上から重い音、鈍い音が落ちてきた、いや降りてきた音がした。その場所を見ると………


「晃太………くん?」


「よっしゃ!着地に成功!」


「あ、あ、あ、アンタ!なんてとこからとんでんのよ!」


「え?3階だけど。多目的室からだけど?」


「多目的とか関係ないから!なんて3階から降りてきたのよ!階段で降りてきなさいよ!」


「だって香織が泣いてたし?」


「くっ…………」


「また翠やってんのか?もういい加減止めろって何でいじめんだよ?」


「アンタには関係ないでしょ?」


「関係ある!いちいち何回も喧嘩の仲裁に入るのって結構力いるんだよ?」


「喧嘩じゃない!これはいじめて………」


「じゃあ何でいじめてんだよ?」


「それは…………」


「見た目がどうこう言ってるけどそれだけじゃないだろ?見た目じゃない部分でも理由があるだろう?」


「そ、そ、それは…………」


「それは?」


「あ、あ、あ、あんたには関係ないでしょ!このバカ!鈍感!」


そう言うと翠は逃げるように去っていった。


「鈍感は関係なくね?………まぁいいけど。

大丈夫か?香織?」


手をさしのばす彼の手をすぐには香織は繋げなかった。


「何で………いつも助けてくれるの?」


「な?何で?」


「私みたいなデブでブスで髪の毛長い貞子みたいなヤツいじめられて当然じゃん?なのになんで?」


「いじめられていい容姿があるのかどうかは俺は知らねーけど。助ける理由はたった1つだよ?」


「1つ?」


「お前が好きだから。」


「え?え?え?」


突然の告白に彼女は顔を真っ赤に染める。


「え?え?好きって………」


「だって香織だけじゃん?女子で一緒に虫とりしてくれんの!あとゲームも上手いし力もつえーし!」


真っ赤になった香織の顔が徐々に赤みをひいていく。


「それってloveじゃなくてlikeの意味で好きってこと?」


「うん?何?どういうこと?それは?」


「あ、もういいや………分かった………」


香織はもういつも助けてくれるHERO晃太のことがloveな意味で大好きだった。

けど相手にその意識がない…………

なら。


すくっ、と立ち上がった香織。


「おいおい。大丈夫かよ?まだ痛むだろ?安静にしておけよ?」


「大丈夫。晃太くん!」


「う?」


「約束しよ?」


「約束?俺は忘れやすいからすぐ忘れるぞ?」


「それでも私は覚えてるから!


もしも

私が美少女になってファンクラブも出来るくらいになって学年でも上位の成績とれるようになって痩せて今より活発でいい女の子になったら


私を晃太くんの彼女にしてください!」


「彼女?彼女ってあれ?彼氏彼女の?」


「うん!」


「う~…………まぁいいよ?出来たら考えてあげる。」


「ありがと!じゃあ今日からダイエットだ!髪の毛も切らなきゃ!」


そう言う彼女の顔はさっきとは違い絶望から希望へと変わっていた。




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