第35話 戦闘力特化 防御力劇雑魚
目が覚めると外は………明るかった。
「へ?ちょ、ちょ、ちょっと!」
驚きを隠せない香織は横で寝ている彼に向けて強めに殴りにいった。
「痛………なんだよ?」
「なんだよ!じゃないよ!今、今、今……」
「今じゃないよ。慌てんな。ゆっくり話せ。」
「話せって………外!明るいよ!」
「そりゃあそうだよ。だって朝だから。」
「え?」
「だから朝だから。朝だから明るいの。」
「え。朝?」
はぁ………っと溜め息をつく晃太は頭をかきながら話す。
「お前が酒入りのチョコ食って意識無くなったことは覚えてんの?」
「お酒入り?チョコ?マカロンじゃなくて?」
「あぁ。オッケー。大丈夫。今の返答で記憶がないのが分かったから。」
「え?ちょ………」
「で、倒れたお前をどうするか、悩んだ末にフロントの人に言って時間延ばしてもらったんだよ?まさか朝まで寝るとは思わなかったけどな?」
「え?え?え?」
「あぁ~いきなりのことすぎてよくわかんねーのも分かるけどもうホテル代は払ってあるから。大丈夫だし。あとそこら辺に散らばってたスイーツ、あのバカみたいな量のスイーツもフロントの人にいってタッパーとかもらって詰め込んでおいたから。」
「あ、あ、ありがと…………」
「で、うんなことはいい訳よ?お前にいちいち説明してたらめんどくせぇんだけど、まず今日俺らは無断欠席だ。」
「あ。まぁ、いいでしょ?」
「いいかどうかは人によるからあんまり深くは追及しないわ。で後1つ指輪作りのおっさんから死ぬほど連絡今見たら入ってる。多分てか出来てるしまずキレてる可能性が高い。だから行くぞ。」
「え?えぇ?」
「さっさと用意しろ。」
「え、いや………ちょ………」
「うん?何だよ?」
「いや………記憶が無い時の情報があまりにも薄すぎやしないかなぁ………って」
「知りたいの?」
「そ、そりゃあ!」
「え~、まずめんどくせぇからおっさんから片付けようぜ?これ以上待たせたら噴火するかもしれないからよぉ。」
「そ、そりゃあ………そうだけど………」
「あ、じゃあ簡潔にまとめて要点だけ言うわ。」
「え、あ、うん。」
「俺が折れてお前と付き合うことだけは認めた。」
「へ?」
「であとキスした。くらいじゃね?買いつまんで言ったら?」
「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理」
「ジョ○ョか。」
無駄無駄っ!ってね?
「そんな嘘信じないよ!私の記憶がないからって嘘をいうつもりでしょ!」
「嘘じゃねーし。」
「いや!嘘だね!」
「なんなん?お前は俺と付き合うことに反対してんの?」
「な、訳ないじゃん!付き合うどころか結婚までまっすぐ見据えてるよ!」
「見据えてくれなくていいけどな?」
「だけど一瞬で変わりすぎでしょ!あの強情な晃太くんはどこにいったの!強欲晃太は何処へ?」
「強欲じゃねーから。まず意味違うし。」
「いや、私は信じないよ!今ここでおでこにキスくらいしてくれないと信じな」
「あ?これでいいのか?」
チュッ。
と音と共におでこにキスをする晃太。
もう一回も二回も違わないし。
「で?これで信じたか?なら早くいくぞ…」
バタン!
倒れる音とともにまたベッドの上でまっすぐ伸びた状態で倒れこむ。彼女の姿が………
「押しに弱いのはいいけど、防御力雑魚過ぎるだろ?」
防御力雑魚子が次目覚めたのは一時間した後のことだった。
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