第31話 爆弾爆発寸前
「何時間予約した訳?」
「3だね。」
「いらねー。長いなぁ………」
「長くないよ~!長くない!ほら目の前に広がるお菓子、スイーツの山を見て!」
「ホントに山だな。いらない山。」
プリンにホットケーキ、ドーナツにパフェ…等々…………有り余るほどのスイーツがテーブルに所狭しとある。
「お前何て言って頼んだんだよ?」
「スイーツ盛り合わせって頼んだよ?」
「ふざけんな。これは盛り合わせではないから爆食のレベルだろ?」
「甘いモノは別腹でしょ?」
「別腹に入る量ではない量がこのテーブルの上に置かれているんだが?」
「大丈夫!大丈夫!私が食べるから!食べきれなければお持ち帰りオッケーだから!」
「早く言え。それを。早く言え。うんで早く詰めろ。」
「そんな急がなくてもいいじゃん?とらないよ?誰も?」
「取るとかの話俺してない。もう持ち帰る準備しようって言ってるだけ。」
「え~?ちょっとは食べよ~よ~?」
「勝手に食えよ。」
「私一人食べても美味しくないじゃん?」
「大丈夫だ。旨いもんはどんな時でも旨い」
「違うの!一緒に感覚を分け与えたいの!」
「お前は何目線で話してんだよ?」
「香織様視点!」
自分が神とでもいいたいのか?まぁ、いいけど。めんどくさいし。否定するのも。
「とりあえず何かは食うわ。何か渡して。」
「何かって………いっぱいあるよ?その中から何かと言われてもむつかしい………」
「じゃあエクレア!エクレアをく」
「エクレアはないみたいだね?」
「何でこんだけあってピンポイントにエクレアがないんだよ?」
「何?チョコ食べたいの?ならこれは?じゃ~ん!マカロン!」
「マカロンってチョコだっけ?」
「ううん?チョコとか入ってない。」
「じゃあ何で提示した?」
「え?中に入ってるモノが変わってて面白いから!」
「うん?」
マカロンを見ると抹茶 ブルーベリー みかん 桃 梨 ドラゴンフルーツ お酒………などなど
変わり種ばかり。
「なるほど。かの有名な鼻くそ味とまではいかないけどヤバそうな味があるって訳だな?」
「どれ食べたい?目を瞑って食べようよ!」
「俺抹茶がい」
「目を瞑って………」
「無理矢理だな………」
瞼を無理矢理閉じさせる香織。
「ヨシッ!一個じゃあ取ろう!」
「はいはい………」
いわれるがままチョコをとる晃太。
言わずもがな何が入っているか分からない。
「ヨシッ!じゃあ大きな口を開けて!」
あ。
「いただきます!」
ぽとっ。っと。
舌の上に落とすチョコ。
噛み砕いてみると………
「……………なにこれ?」
食べても理解不能。味を遡っても理解不能。
これ食ったことねーな。てことは
「ドラゴンフルーツかよ………こんな味なん?ドラゴンフルーツって。初めて食べたわ。で、香織は?」
「ひっく。」
「え?」
「ひっく。ひっく。」
「え?え?」
「ひっく。ひっく。ひっく。」
え?なんか彼女の様子がおかし………カエルになった?いやそんな訳ないか?
「ひっく。ひっく。ひっく。ひっく。晃太く~ん?」
こちらに近づいてくる彼女は完全に
千鳥足だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます