第24話 頑固じじぃの意思はダイヤモンドより固い
「珈琲は飲めるか?」
「飲めます…………頂きます………」
「砂糖あとちょっとちょ~だい?兵蔵じぃちゃん?」
「じぃちゃん?」
ムッとした顔で砂糖を渡してくれた兵蔵さん。
「ムッってしちゃダメだよ!スマイルスマイル!笑顔!笑顔!笑顔大切だよ!」
誰に対しても変えないスタンス、これが香織スタンス………感心もするけどそれ以上に…………
「もうやめてくれないか!?」
これ以上導火線に火をつけようとする行為はやめてほしい………いつ爆発するのか分からないから………
「で、若いの。」
「香織と晃太でいいよ!おじちゃん!」
「………………貴様らさっき言ってたな。セックスがどうとか薬がどうとか………」
「え、説明するからよく聞いてね?
まず一回目のセックスは晃太くんが誘ってきて………」
「ちょっと待て!誘ってないわ!ふざけんな!」
「まぁまぁ。落ちついて。珈琲でも飲んで黙って見てて?」
「いらんこと言うなって言いたいんだろ?お前?嘘はよくな」
「まぁともかく一回目のセックスは私の部屋でした訳よ。で二回目、二回目は私の部屋でしたの!だって一方の家でしかやってないなんておかしいじゃん!」
「おかしいのはお前の頭の中身だ」
「晃太くんって兵蔵おじちゃんが見ても分かるように強情な人でね?だから仕方なく仕方なく………薬をもって体の自由を閉じ込めたんだ!そしてその状態のまま、私が排卵誘発剤を飲んで…………セックスしたと。これが私たちカップルの姿だよ?」
「汚い姿だこと…………」
これを聞いてる兵蔵さんの気持ちにでもなれよ。てか兵蔵さんもどうしていいか分からないでしょ?こんなこ
「分かった。」
「へ?」
「40万あるんだな?特注のヤツを造ってやる。」
「え?ほんと?ありがと!デザインとかは?」
「ワシが考える。この道何十年を見くびるんじゃない。」
「ほうほう!なるほど!それは了解です!」
話がトントントントン進む。ふざけるなよ。
「ちょっと兵蔵さん?」
「なんだ?若いの、男のほう。」
「晃太です!あの………なんでそんな急に話聞いて指輪つくろうなんてことになったんですか?」
「決まってるだろ?」
兵蔵さんはメガネをくぃっとあげると………
「マリッジリングはしっかりつくるのが職人の流儀だから。」
「だから!マリッジじゃないんですよ!」
「二回もやっておいてよく言えるな?そんな言葉。」
「ヤられたんですよ!だから………」
「ピーピー言うな!男だろ?女が覚悟決めてんだ。男が覚悟決めなきゃ何になるんだよ?」
「俺は親友でいたい…………」
「そんな戯れ言すぐさまなくなる。やってる時点でそんな言葉捨ててきな。」
「…………………」
「ともかくワシは作る。指輪をつくる。だからどこかでブラついてくるといい。出来たら連絡するから連絡先だけ書いていきなさい。」
「……………」
「晃太。
君に決定権などないんだ。今あるのは現実のみ。しっかりそれを飲み込んで理解することだな。ちなみにワシが造った指輪で別れたヤツらは一人もいない。絶対に結ばれる。だからそこも理解してくれ。分かったか?小僧。」
「……………」
四面楚歌。
こういうときに使うのかな?マジで………
街にも家族にも変な人多すぎなんだよ!
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