第23話 PLANET それは地球

「ここか?」


「ここだね!」


おばぁさんに教えてもらった場所に行くと。


「マジでホントにあったわ。」


「ホントにって何!おばちゃんを信じなかった訳?酷い!酷いを超えてしどい!」


「うるせぇ。知らない人から教えてもらった場所をそんな簡単に信じられるか。」


そんな簡単な脳みそはしてないつもりなんですけど?


「というか………ここ…………」


「どうしたの?早く入ろ!」


「入ろって…………お前この門構え見て入れるのか?」


PLANET そこは新しい新築の場所じゃない。

完全に老舗で………何だか一元さん厳禁な店なオーラが漂っていて………


「違うとこにしよ。」


「え~?なんで?あのおばちゃんが教えてくれた場所なのに!入らないと損だよ!損!」


「いや、得だと思うけど…………バカにされるって………」


「バカにされないよ!ほら見て!お金!40枚!プラス私たちの持ち金で………計50はあるでしょ!これでバカにされること、心配はないよ!」


「いや、そこじゃなくて………そこの金の問題じゃなくて………俺たちの格好とか年齢とかが………」


「何?私が年の割に童顔で可愛いって話?そりゃありがとーねー!」


「耳は飾りか?そんなこと言ってねーよ?ちげーよ!こんな年季の入ってる店に入る人って部類に俺らは入ってないってことで……あれ?香織?」


見ると香織の姿がない。姿が………


「すいませーん!やってます~?」


うわぁぁぁ!うわぁぁぁ!アイツ嘘だろ!

ドアに近づきひょっこり顔を覗かせると……


「今ちょうど客がいない。見ていくなら都合がいいぞ。」


髭をたくわえメガネをかけた男の人が……いや老人………いや老人じゃないな。紳士だな。格好いいおじぃさんだなぁ………。


「いつまでドア開けとくつもりだ?入るつもりがないのか?」


「あ、いや!すいません!」


だがその紳士は怖い。カッコいいけど怖い。


「………若いな。なんだ?適当にペアリングでも買うつもりで来たのか?俺の店に来る必要ないけど。安いペアリングならそこらに並べてあるから適当に………」


「違うよ!おじぃちゃん!」


「おじぃちゃん?」


ムッとした顔を見せる老人。香織は人のスイッチを入れるのが上手い。悪い意味で。


「私は兵蔵 岩垣 兵蔵(いわがき ひょうぞう)じゃ。おじぃちゃんなんてモンじゃない。」


「じゃあ!兵蔵おじぃちゃん!私の話を聞いて!」


そう言いながら兵蔵さんの前に札束を並べる香織。


「なんだ?金だけつんだところでバカなすぐ別れるカップルだってことに変わりはな」


「セックスしたの」


「あ?」


「二回も」


「………」


「薬も使って赤ちゃん出来るようにして。」


「………」


「それでも普通のカップルと同じと言える?」


「………………若いの。2人とも。一旦座れ。中身を話せ。」


え~?話すんすか?マジですか?ここでも末代までの恥を披露するんですか?

横はウキウキしてるけど…………

ウキウキすんな。このアホ猿。




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