第21話 最悪な1日を超す最悪な1日
続。時間は早いモンでもう香織の部屋に布団が敷いてないことそしてちょいちょいっとこちらに手招きする呑気な香織。さっきの殺気からこのほんわかの落差よ。
もう抵抗することもやめ、さらりと香織のベッドに入る。狭いし暑苦しいが我慢、我慢、明日になれば………いや、明日になれば選択しないといけないんだ………いや、寝ても地獄、起きていても……………
「晃太くん?まだ寝ないの?ならならなら~♪コイバナしよ~よ?」
隣でえげつない眼力でこちらを見る香織の姿が………
「私が好きなのは社 晃太って人で~。なんで大好きかってゆーと~一言では表せないんだけど~?」
「いらない。いらない。その無駄なコイバナいらない。いらないから。俺は寝る。」
「え~?恥ずかしいのぉ?え~?そうなの?え~?意外~?え~?可愛い~!」
「無視するからな……………」
「無視するからって返事してる時点で無視してないよ?」
「………………」
もういい。屁理屈ばっかり。もういい。だから………寝に逃げる。
寝に逃げたはずたったのだが……………
サワリ。
サワリ。
サワリ。
サワリ。
サワリ。
「お前さぁ……………」
「何?寝るんじゃないの?」
「寝るんじゃないの?じゃねーよ!今何してた?」
「え?晃太くんの息子触ってた。」
「触ってた、じゃねーよ!何触ってるんだよ!」
「だって寝るんでしょ?なら気にならないでしょ?」
「気になるわ!バカか!」
「私も暇なの!だから晃太くんのジョイスティックで遊ぼうと………」
「俺のは格ゲーと繋がってないから!俺はゲーム機じゃないから!」
「おー。怒濤のツッコミ!眠気もとんだ?」
「寝させろ………………」
てな感じで………セクハラや言葉でツッコミをさせ………気がついた頃には………
「もう………明るいじゃん………」
「明るいね!おはよー!」
「うっせぇわ。」
「うっせぇわ。貴方が思うほど健康です。だっけ?」
「不健康だよ。」
まともに眠れていない体をつかいながらリビングへと下がると…………朝ごはんの用意がしてあって…………何か重々しい感じのする封筒が…………その上には貼り紙で。
大五郎さんから……………
「この封筒には25万入っている。これでしっかりとしたマリッジリングを買ってきなさい。P.S.夜は何時になってもいいが、結論はしっかりとつけるんだぞ?晃太くん。」
と書かれていた。
「お~、おとーさん!25万も!これで40万だね!40万のペアリングなんてめちゃくちゃいいものが買えるね!ね?晃太くん!」
「………………………」
あ~、重い。あ~、重い。あ~、重いな~。
例えるなら朝から牛丼?朝からお好み焼き?朝から焼き肉?朝から餃子?
くらい重い。
し胃が痛い。
「とりあえず食べてからいきなさい?」
「うん!食べよ!晃太くん!」
「あ、うん…………」
そう言いながらトーストを噛った。
「じゃあ。行ってくるね!」
「行ってらっしゃい!2人とも!」
朝の10時頃玄関には準備完了した2人の姿があった。
晃太は黒のアーティストの服に下は白いズボン、
香織は白いフリフリをつけた真っ白のワンピースで出かけることに。
「晃太くん!どう?服?」
「えー、柳の………」
「ちゃんと言わなきゃちぎるよ?」
「……………可愛いです。」
「よろしい。」
何故行く前に性別変わらないといけないのだ。
「2人ともいってらっしゃい!」
「いってきます!めっちゃいいモノ買ってくるよ!」
「………………いってきます…………」
あ~、ダメだ。今日は最後の日に最悪なモノになるのが決定しているのだ。
最悪は最悪なままで終わらしたい。
っとこのときはそう思っていた。
最悪は最悪を超すことがあるなんてないと思っていた。思っていたのに。
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