第18話 お風呂with

「あ、二回戦どうだった?孫は9人くらい出来そうかしら?」


「…………………あの、玄関入って第一声がそれですか?」


「あ、もしかして9じゃ足りない?10いっちゃう?」


「いやいや、違うんで………根本的に違うんで………」


ホントにこの人、香織の母親は何を言っているんだろうか………玄関の扉を閉めながらそう考える。

てか。


「止めてくださいよ。」


「え?」


「二回戦する気満々のヤツがいるならすぐさま止めてくださいよ!」


「だって、だって!だって!

孫………早く見たいし………」


「アンタの一存だけで決めるのやめてもらえません?」


被害被るのは晃太なんだから。


「あ、そうだ。これ、ご祝儀。5万円ね?」


「ありがとう!お母さん!」


「めちゃくちゃいいペアリング買ってきなさいよ?」


「は~い!」


「……………」


もう話すだけ無駄か………コイツらに言葉は通じない。獣だと思おう。


「じゃあ晃太くんは香織の部屋に荷物置いてきなさい?」


「はぁ?置いてきて何をするんですか?」


「それは置いてきてからの楽しみだよ!」


「楽しみ………とかもうないんですけど。」


「とりあえず置いてきて。そしてリビングに来て!」


「あ~、はいはい………分かりましたよ。」


嫌な予感しかしないがとりあえず置いてきてから考えよう………そう思い彼女の部屋に荷物を置きリビングへと下がると………


「は?」


赤と黄色のパジャマが置かれていた。


「晃太くんどっちにする?香織は紫なんだけど。」


「いやいや、ちょっと待ってください。」


「あ、他の色かいい?黒とか?他の色持ってこようか?」


「じゃなくて!なんでパジャマ?」


「え?なんでって」


さも当然かのように香織のお母さんはいう。


「今から2人でお風呂に入るからじゃん。」


「は?」


「もう時間もいい時間だし。お風呂に入りな?一番風呂だよ?」


「じゃなくて何で一緒に?」


「一緒にセックスしたんでしょ?なら一緒に入るのが礼儀でしょ?」


「そんな礼儀俺知らない。」


「風俗なら礼儀だよ?」


「香織は風俗なんですか?」


「違うけど。例えで。」


「娘の例えで風俗だすのどうかと思いますけど………」


「とりあえず2人でお風呂に入りな?それで全て上手くいくから!」


「何でちょっとキレ気味なんすか?キレられる理由なくない?」


「とりあえずセックスしてるときに裸は見飽きたんだからもう大丈夫でしょ?」


「そういう問題じゃないですけど!相手の異性の風呂に一緒に入る時点でイカれてますけど。」


「大丈夫!大丈夫!大五郎さんまだ帰ってこないし。帰ってきてから入ることになるよ?」


「別々に入るのは選択肢にないんですか?」


「ない!」


もうここまで来ると清々しいわ。バカも。


「はぁ………」


一難去ってまた一難。

一時間ごとぐらいに訪れてるのは何故だろう。


「晃太くんとお風呂!」


「いらんことすんなよ?」


「いらんことが分からないのでするかもでーす!」


あ~、一発殴ろう。社会不適合だから。コイツ。

あ~、だるい。だるい。どーしようもない。

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