第14話 屑は星屑と言っても屑だから

学校でのドタバタは走りさる、いや、皆がクラスのヤツらが何とか漏らさないでいてくれた、と信じたいので信じさせてくれ。

学校でのドタバタは風のように過ぎ去り……

もう気づけばホームルーム。帰りのホームルームになっていた。

前ではヤル気のないセンセ、灰カスが耳にペン、競馬の予想をしながら座っている。


「灰刃センセ!ホームルームは?」


「え?あ、ホームルームか。めんどくさくて忘れてたわ。え~、ホームルームです。特に何もありません。俺からは何もありません。お前らから何かあるか?例えばどのレースが勝ちそうとか、ここが穴場だぞ?とかそーゆー必勝法とか」


「あるわけねーだろ。カスが。」


「おいおい。口が悪いな~社?どうした?生理か?」


「うんな訳ねーだろ?」


「生理なら横のお前の奥さんか。」


「セクハラも追加したらもういよいよアウトだからな?」


「生理は来てるよ!だから大丈夫!」


「え、生理………きてんの?」


「来てるよ?3日前くらいから?」


「…………」


ということは生理中に中だしセックスしたことになる。


「…………………」


いや~冷や汗ってこんな大量に出るモノなんだな………


「めでたいな。ほらやるよ?これ。外れた馬券10枚。」


「いらねーよ!つかめでたくないし!外れ馬券10枚ってゴミじゃねーか!」


「10ってのがいいじゃん。縁起良さげで」


「ふざけんな。一にも生徒に外れ馬券やる先生がいるか?」


「ここにいる。」


「カッコよくねーんだよ。」


もっとカッコいい台詞でそれを言えよ。


「とりあえず俺は忙しいんだ。」


「どこが忙しいんだよ?」


「先生は忙しいんだよ?テストつくったり日誌書いたり忙しい忙しい。」


「なら灰カスもそんな仕事するんだな?」


「ヤル気が出ればな?当たり前よ?でもヤル気がでないときもあるじゃねーか。人間だもの。だから。今日はしない。」


「しないで何をするんだよ?」


「競馬と競艇のレース観戦、賭けてんだよ!」


「もう帰っていいっすか?」


晃太は鞄を手に廊下に向かおうとする。


「待て待てまだホームルーム終わってないぞ?一応あと5分くらいはクラスから出るなってルールなんだが?」


「お前がルールを語るなよ。」


「いちにも教師だぞ?」


「教師が仕事中に競艇と競馬するか?しかも賭けるか?」


「俺はGTOに憧れてんだよ。」


「頑張って天罰堕ちろ汚物。」


「酷い罵詈雑言だな?」


「お前に比べりゃマシだろ?」


「はいはい!はーい!灰刃センセ!私から連絡がありまーす!」


晃太と灰カスの無駄なバトルに水をいれたのは香織だった。


「なんだ?沢?どうした?何か用事か?」


「用事というか普通に連絡なんですけど、明日私たち休みます!晃太くんと私。」


「あ、そう。休む連絡か?早めにどう」


「指輪を買ってきます!」


「は?」


「2人のペアリングを買ってきます!そのために休み………」


「余計なことをペラペラしゃべるな!」


クラスメイトの目が痛い。視線が全てこっちにくる。やめてくれ。


「ペアリング………?」


「そう!ペアリング!」


何か変なんですけど?灰カスの様子が………


「お前ら金………それに使うのか?」


「うん!多分10万くらいかな?」


「やめろ!勝手にきめんな!額を!」


「10万………10万………」


「どうした?灰カ」


「お前らがそんなモノに使うなら俺が倍にして返してやるから指輪買うのはやめろ?な?」


「やだよ!指輪買うんだよ!」


「なら一旦俺に預けてから行こうぜ?5倍、いや、10倍にして返すから!そしたら指輪も豪華になるぞ!」


「10倍………100万円!やるやる!やる……」


「やるか!バカっ!お前はホントに屑でお前はホントにバカだな?」


香織の首を掴みドアを開ける。


「もう5分経っただろ?帰るぞ。で、明日は来るから。」


「いや!絶対にこないよ~!10万の指輪見せつけてあげるからね~!」


「いらないことを大声で言うな!」


少し残念そうな灰カスを残し廊下を進む。

ダメだ。アイツは屑でダメでアホでなんで教師なんだよ?


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