第13話 美味しいものほどあたると怖い。ついでに屑には天罰下れ。
「さ、お弁当食べよ?」
「食えるか………」
「何?私のお母さんの料理が食べれないというの?それは酷い話じゃない?」
「だれもそんなこと言ってないよな?今は気分的に食えないって言ってるだけだから!」
「気分的?気分的ってどういうこと?」
「お前が発した言葉すべてだよ。」
「へ?何のこと?」
「ふざけんなよ?お前………さっきファンクラブ来た時言ったよな?ペアリングがどうこうとか?」
「うん。言ったね?」
「言ったね?じゃないから。ふざけんなよ?どうすんだよ、ペアリング。どうすんだよ?」
「明日買うんだよ。」
「ふざけんなよ?そんな簡単に買えるもんじゃねーだろ?」
「簡単に買えるモノじゃないからこそ愛を肯定出来るんだよ!」
「いらない出費はしたくないんだけど?」
「いる出費だよ。このためにバイトしてるんでしょ?」
「人のバイトの金の使い道なんだと思ってるんだよ?」
確かに晃太はバイトしてるけど………それはそれこれはこれ、だと思うが?
「貯まってるのは分かってるよ?大体私と遊ぶときはファーストフード店いくか、どっかかの家に行くかだもん。お金全然使わないじゃん?進藤くんともそんなしょっちゅう遊ぶ訳じゃないでしょ?」
「………………ホント無駄に頭いいよな…」
「学年上位を舐めないで」
「舐めてないよ?ただバカにはしてる。頭の使い道が変わるとこんなにダメなんだって」
頭の使いどころがホントに悪いよな。コイツは。
「ともかく明日は学校休んで指輪買いにいくから。」
「いくからって…」
「これ決定ね?」
「ふざけんな。勝手に話を広げんな。」
「大丈夫。大丈夫。痛くはしないから。」
「何の話をしてるんだよ?バカか?」
痛い痛くないの話なんか1つもしてないけども?
「ともかく食べないと戦には出れない!」
「戦に出向く気はないんだが?」
「とりあえず食べよう!」
香織がお弁当の箱をパカッと開ける。
するとそこには………
「何これ?」
「何って、牡蠣でしょ?」
「柿じゃなくて?」
「うん。」
「夏期でもなくて?」
「うん。」
「牡蠣?生の牡蠣?」
「うわ~。新鮮!」
「新鮮な訳ねーだろ。もう何時間も熱されてるから温いし腹壊す可能性あるぞ?」
「大丈夫だって当たるモノほど美味しいんだから!」
「当たる中心で考えんな。あとお前の弁当…」
「うん?」
「なんだ、その牛乳とか鉄分だらけのメニュー。」
レバーにこれまた牡蠣に牛乳に牛乳に牛乳。腹壊すって。
「あ、お母さんからメモが!ナニナニ?
晃太くんと香織にいい赤ん坊が産まれるように晃太くんには精力がつくモノを!香織には赤ちゃんが出来やすい体になるモノをつくってだしたよ!いっぱい食べて、いっぱいつくってね?孫を!だって?」
「やっぱり頭のネジとれてるだろ。絶対に。」
母娘共におかしいぞ?
「え、てか牡蠣食う感じ?」
「食べるよ?食べなくて何を食べるのさ?」
「購買でパンでも買ってこようかと。」
「愛情が込もったこの料理を無駄にするの?」
「愛より狂気がましてる気がするから……」
ガラガラっ………
そんな話をしている中誰かが扉をあけてクラスに入ってきた。
誰………って………
「灰カス………」
それは灰カス、こと灰刃だった。
「あ、灰刃センセ!どしたの?ご飯の恵みに来たの?」
「俺がそこまで堕ちてるように見えるか?」
「あ、ごめんね……」
「さっと知らぬ間にパンでも一個盗めたらな、と思ってきた。パトロールという名目で。」
「そろそろ捕まるぞ?」
「大丈夫。ギリギリでいつも生きていたいから、をもっとーにしてるから。」
「大丈夫か?それだと50パーの確率でギリギリからはみ出るけど?」
へんなアルファベットの文字の羅列になるけど大丈夫?
「それとお前ら2人に用があってきたんだよ。」
「は?俺らに?何の用だよ?」
「朝俺はお前らに絶対に他にはバラスなよ?って言ったよな?」
「言ってたな?」
「けど、あれは撤廃でいいわ。」
「は?」
「撤廃。撤廃で。」
「どういう風の吹き回しだよ?」
「俺な、考えたんだよ。ギリギリの空腹と頭痛い二日酔いの状態で。」
「最低なコンディションでやるなよ。マジで」
「それでピーンっと思い付いた訳!」
「何を?」
「日本は18歳から成人になったよな?」
「あぁ、そうだな。」
「てことは18になれば大人、高校生というより大人として扱う訳だよな?」
「………話が見えねーが?」
「つまりだ。お前早産まれだろ?4月?」
「4月25だよ。」
「だろ?あと一年もねー訳じゃん?つまり赤ちゃんが出来ても大体一年くらいはかかる。その赤ちゃんが産まれてもお前らはもう成人。だからお前らが責任をおう。俺には火の粉は飛ばない。ほら完璧な作戦!」
「一言いうぞ?最低だな!」
「人間一枚めくれば全員化物なんだよ。理解しておけ?」
灰カスたる堂々たる屑さ。流石とも言える。
「ということで俺はノータッチでいくぞ?分かったな?分かっただろ?じゃあそれで。」
「ちょ、ちょっと待て!」
「晃太くん!センセからもお墨付きだね!」
「お墨付きじゃねーよ。あれは投げやりっていうんだ。」
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