クリスマスパーティー その1
1泊2日の修学旅行が無事終わり、俺たちは家に帰る。
夕食を摂り、今はゆっくりと2人でリビングでくつろいでいる。
「しばらくお預けでしたから、いい……ですよね?」
「うん……」
アリサの可愛らしい小顔が迫り、唇が重なる。
「んっ……ちゅ……」
日に日にキスを求める回数が多くなるアリサが愛おしくて、つい頭をなでてしまう。
「ふふっ」
嬉しそうに微笑んだアリサは、より深いキスをする。
「んっ……ちゅっ……うん……ふぁ……」
脳が
「ふふっ……まだまだ……ですよ?」
「今日は……激しいね。アリサ」
「だって……しばらくお預けだったんです。その分は取り返したいです……」
「ふふっ、そっか」
「ねぇ、ミナト君」
「何? アリサ」
「恋のABCって知ってますか?」
「あ、ああ、AがキスでBが……アレで〜ってやつだよね?」
B以降を直接口にするのは
「はい。ユイカが言ってたんですけど、世の中の恋人はAの深いキスまで行ったら、一気にCまで行くって聞きました」
「(ユイカはアリサに何を教えてんだ……)」
「それで、Aから先に進まないのは、私の身体に魅力がないのかなって……思ってしまって……」
アリサは少し不安そうな顔をしたので、俺は優しくアリサの頬を撫でる。
「あっ……」
「馬鹿だなアリサは。そんな訳ないよ。俺はアリサの全部が好きだ」
「ミナト君……」
「好きで大切だからさ、その……そういうのはゆっくりでいいと思うんだ。他の人がどうとかじゃない。自分達のタイミングがじっくり進んでいこう」
俺は優しく語りかける。
「だからさ、アリサはどうしたい?」
「私はまだ、キスだけでも十分というか……そんなに焦る必要はないと言うか……」
「うん。それでいいと思うよ。俺もアリサとキスをしてるだけで幸せだ」
アリサの顔がパァと明るくなる。
「ミ、ミナト君……! 大好きです……!」
そして再び唇を重ねあう。今度は激しいキスではなく、ゆっくり丁寧なキス。
2人の気持ち伝え合うにはそれで十分だった。
♢
二学期も終わりを告げる。夕食を食べている途中、アリサが提案をする。
「クリスマスパーティーをしましょう!」
「うん、楽しそうだね!」
「アタシはいいけど、アンタ達、2人で過ごさなくていいの?」
「私はみんなで楽しく盛り上がりたいです!」
「うん、俺も。ユイカもいた方が楽しいよ」
「そ、そうかしら。な、ならアタシも参加しようかな……」
「決まりだな。たかしも呼んでいいか? 人数は多い方がいいだろ?」
「はい、ぜひ!」
「まぁ、修学旅行、同じ班だったしね」
♢
「と言う訳で、たかしもクリスマスパーティーに来ないか?」
俺はたかしに電話をする。
『ククッ、このサタンに魅入られこの俺に、キリストの生誕を祝えというのか……。
「そっか……残念だな。じゃあまた……」
『──まて! 行かないとは行ってないぞ!』
「ってことは?」
『まぁ、そういう倒錯的な催しもたまには悪くてなかろう。いいだろう! この俺様が聖夜に降臨してやろうではないか!』
「最初からそう言えよ……」
なんだかんだ、たかしも楽しみみたいだな。
「あっ、プレゼント交換するから、プレゼント持ってきてくれよな。まぁ、できるだけ無難なやつ」
『──承知』
電話切れたけど大丈夫かな? 変な怪しいアイテム持ってこないだろうな……。
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