もしもし、夏よ。たまには手加減、覚えてみません?

CHOPI

もしもし、夏よ。たまには手加減、覚えてみません?

 ――いよいよ、夏本番!


 そんな文言が各所で飛び交うのを目に、耳にするようになってきた。……自分、リハに呼ばれてないんですけどね。とはいえ、ぶっつけ本番だろうが、やらなきゃいけないときは確かにある。いや、あるよ、あるのは認めるけど。えー、今なのー……?


 連日の平均気温、30℃越え。何をしたところで『暑い』が一番初めに来る季節。


 ところで知ってます? 自分、良く知らなかったんだけど、25℃以上の日は既に「夏日」って言うんだってね。30℃以上の日を「真夏日」、35℃以上の日を「猛暑日」って言い分けるらしい。いやいや、ウソでしょ、25℃以上が「夏日」って。いやまぁ、確かに暑いことは暑いけど。でもさぁ最近、正直30℃下回ったら涼しいとか思っちゃうんだけど。


 昼間上がった気温はなかなか下がらず、今日も今日とて寝苦しい夜。


 最低気温が25℃以上ある夜を「熱帯夜」と言うけれど、実は20℃以上の場合「真夏夜」って言うらしい。だけど近年、20℃以上は当たり前になって、その言い方はほとんどしないんだとか。……あーあ、言葉の使いどころが一つ、無くなっちゃっとるがな。というかそもそも、25℃以下だったらたぶん、そんなに寝苦しさ感じない説あるんじゃない?


 かつては「電気代がもったいない!」だの「環境に悪い!」だの、制限されていたクーラーの使用。


 今じゃ国を挙げて『皆さん!適切な温度設定で、クーラーを利用していきましょう!』、ですってよ。遠い記憶の中、クーラーの必要性なんて感じなかった親戚の田舎の家にも、『今はクーラーついてるよー』なんて、記憶の中の姿より少しだけ小さくなった叔母が笑って言った。あの家にクーラーが付いていること、今でもまだ信じられないんだけどさ。


 夏休みの学生にとっては耳にタコができる、『宿題は朝の涼しいうちにやりましょう』。


 は? 朝起きたらもう、すでに暑いのだが?? それにクーラーが聞いている室内で、“涼しいうちに”の概念なんて無いでしょう。涼を求めて学校のプールに行ってみろ、屋上にあるプールは天然の温水プールに化けてやがる。それでも水に浸かるだけで気持ちいいって思うけどさ。室内にいる限り涼しい、が確定している以上、“宿題を朝のうちに”のメリットは他に探すべきではなかろうか。


 ……とまぁ、ここまでいろいろ言ったけど、つまるところ、何が言いたいかって言うと。



 「とにかく最近、暑すぎると思わない?」

 「私はキミのその熱量の方がヤバいと思うがな」

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