第60話 触手に捕まり絶体絶命! 翔の貞操は守られるか!?
というかこんな可愛い声の彼女に耳元で囁かれただけで心臓がバクバク鳴ってうるさい。めちゃっくちゃドキドキする。
そんな俺に焦れたのか、ヘレナさんが吐息を耳にかけてきた。
「ふぅー」
「あふ……っ」
「ふふ。可愛い反応……ああもう、我慢できないかもしれません」
「え、いやちょ……! ホント不味いって、誰か来たら――え?」
長細いモノが制服の裾に入ってきた。それはにゅるにゅると蠢き、生暖かい感触を伝えながら腰や足にも巻きついてくる。
な、なんだこれ……!?
俺は突然の異物感に戸惑い、恐る恐る視線を下げた。
シスター服の裾から緑色の蔓のようなものが何本も伸びていた。
「しょ、植物人間……ッ!?」
「正確には違いますが、まぁ半分正解ってことにしておきましょうかぁ」
ヘレナさんの雰囲気が一変した。さっきまで見た目だけは清楚なシスターだったのに、蕩けた表情で、声だってねっとりし出した。
そしてその直後――
「うわっ!?」
ばっと身体が浮き、手足をきつく縛られたまま空中に持ち上げられた。
にゅるにゅると身体を這っていた触手がズボンとパンツを器用に下ろし、俺の尻をそっと撫でた。それの太さはおよそ四センチ。柔らかさの中にしっかりとした硬さを持つ触手はまさしく怒張したイチモツだ。
「じゃあお尻に入れちゃいますねぇ♪ 力を抜いてください、広げますからねぇー♪」
「やめて! いやっ、そんな大きいの入らない……ッ!」
このセリフを言う時が来るとは思わなかった。
エッチなゲームや漫画でヒロインたちからさんざん聞いたセリフ。定番すぎる言葉。正直見飽きた。だが自分が言うのなら話は違う。
無理やり肛門を広げられ、新しい扉まで開かれる。
入れたこともないのに入れられてたまるか……ッ! 俺の尻は生涯処女宣言だぞ……!
俺は触手の照準を狂わそうと必死に腰を振った。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――ッ!」
「あははっ、そんなに腰へこへこしちゃって♪ そんなにコレが欲しいんですか?」
「いるかよそんなもんッ! こうやって激しく動いてたら入れられないだろ!」
「ああ確かに……じゃあ往生際悪く暴れるような子は、お尻以外をぐるぐる巻きにして動けなくしちゃいますねぇー」
不味いことになった。あれよあれよという間に植物触手が無数のヘビのように巻きつき、身体中を締めつけた。まったく動けない。両手は頭の上に束ねられ、足も無理やり閉じらされてくっと尻を突き出すような体勢にさせられた。
「さぁ、私を受け入れて楽になりましょうねぇ。お尻の中でびゅーびゅーと子種を吐き出しちゃいますからねぇ♪ それと交わって、翔さんも淫魔になるんですぅ♪」
誰が淫魔になんてなるか! こうなったら一か八かだ!
触手が入り込もうとした瞬間、俺は尻に渾身の力を込めた。
「ふん……っ!」
「あれ? 嘘、入らない……」
「ふははははっ、残念だったなクソビッチシスター! 尻に力を込めて弾いてやったぞ! 貴様のふにゃふにゃ触手なんて俺のケツ筋の前では無力なんだよッ!」
「じゃあ硬度マシマシ、粘液デロデロにして入りやすくしますねぇー♪」
「――ッ!?」
ヤバい。挑発しすぎた。触手が鉄のように硬くなって、ぼとぼとと粘液が垂れる音が聞こえてくる。
もう怖くて言葉も出ない。俺は「んーッ! んーッ!」と叫ぶばかり。
だが次の瞬間、
「そこまでですッ!」
銃声が響いた。立て続けに六発。放たれたその弾丸は途中で風の刃に変化し、触手を切り裂いた。俺の身体を支えていた太い触手が切られ、三メートルほどの高さからゴトンと落ちた。その際、身体に巻きついていた触手がクッションになって衝撃を和らげたからか、思いのほか痛みはなかった。
「ここから先は18禁ですよ、先輩?」
「お、おぉ……」
俺が入り口の方に首を回すと、尻を守ってくれたヒロインがそこにいた。
首までのふわりとした金髪に幼さが残る可愛らしい顔。赤黒の軍服ワンピースを着た小柄な少女がマジックガンをリロードしながらくすりと笑っている。
フィーネだ。なんて最高のタイミングだろうか。惚れる。尻の処女を守ってくれた美少女貴族とか好きになるしかねぇだろ!
トキメキが止まらない俺だったが「彼女から離れて」と言うフィーネの声にはっとし、だらりと弛緩した触手を慌てて振りほどき、ズボンをはきなおしつつ距離をとった。
(次回に続く)
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