第79話 ソラと黒銀(1年前)②
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
まず ご挨拶まで~。
碧心☆あおしん☆
――――――――――――――――――――――
「長い年月が過ぎ、半分諦めかけていた時だ。九條サクラを見つけた! 分かるか? その時の感動を! 俺は初めて神に礼を言ったね」
だがソラは、そんなテンションの上がった
――ほんとよくしゃべる。自分で話しながらハイになってやがる。
そんなソラの考えに気付かずに
「だが、この
そう言いながら
ソラはサクラ本人の笑顔を思い出す。その笑顔は、いま
――サクラはあんな気持ち悪い笑い方をしない。
ソラはフツフツと怒りが込み上げる。
――胸くそ悪い。
「お前の言うことはわかった。したいなら勝手にしろ。だがサクラの体を使うな。サクラから今すぐ出ろ!」
――刻印なんて俺には関係ない。それよりもこいつがサクラの中に入っているということ自体が許せない。
元々ソラは人と接するのがあまり好きではない。理由は人の心が分かるからだ。
表では笑顔で好意的な態度を取っていても、心では蔑んだり、何か企んでいたりする者が多い。そんな裏表がある人間がソラは嫌いだった。
その中でサクラは裏表がなく、一緒にいても不快感はまったくなかった。
だからサクラはソラの中で数少ない気に入った人間の1人だった。
そのサクラを
「阿呆か。こいつじゃなければ成し遂げれねえって言ってるだろ。聞いていなかったのか?」
「ちゃんと聞いていたさ。だから言っている。他の
「するか。
拒否られるのは百も承知だが、面と向かって言われると腹が立つ。
――今すぐにでも強引に引っ張り出してやりたい!
だが
「じゃあ力尽くでいくのみ!」
ソラは戦闘体勢を作る。それを見た
「ほう。俺とやり合うつもりか?」
「そうだ」
「お前、俺に勝てると思っているのか?」
「ああ。今のお前はまだサクラの中に入って日が浅い。だから力が完璧に使えないからな。それなら俺にも勝算はある」
その言葉に
「……へえ。ただの阿呆ではなさそうだな」
そこでソラの言ったことは間違っていなかったと確信する。
三條家にある伝書によれば、その者に乗り移ってからその者の魂と融合し定着するまでには1年ほどの期間が必要とされ、その間思うように力が使えないと書かれていた。
「そんなことしてみろ? こいつの体を傷つけることになるぞ。それでもいいのか?」
「ああ、分かっている。戦うわけじゃない」
「?」
「お前を封印するんだ」
刹那、ソラの双眸が銀色に光る。それには
「! お前!
『
――あの時は本当に迷惑だと心底爺さんを恨んだが、今は有り難く思う。
ソラは唱える。
「
刹那、サクラの体が何かに縛られたように硬直する。
「きさま! その力!」
――サクラの顔で言うな。
ソラは両手の手の平で四角を作り、その中に写真のフレームのようにサクラの姿を入れる。
「
その四角を作った両手から銀色の四角い光がズバッとサクラを囲み、そのまま吸い込まれる。同時にサクラはそのまま足から崩れ落ちた。それをソラが抱き止める。
これで当分は
半年後に行われたあの軍との共同練習の時までは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます