第3話 目眩
私と彼は、去年の春に出逢った。彼は、出逢ったその日から私のことが好きで、
二人でご飯に行きたいと何度も誘われた。
でも、私は長年付き合っている彼氏がいた。彼氏のことが大好きだった。本当に、
本当に大好きだった。
だけど、彼からの必死なアプローチに気持ちが動いてしまった。何度も、「好き」
「ずっと一緒にいたい」と伝えられるうちに、彼のことが気になっていた。
数ヶ月して、彼氏と別れた。
別れた後も、彼氏のことが頭から離れなかった。
それでも彼に、「彼氏と別れたよ。二人で会いたい。」と伝えた。
彼からの返事はなかった。一度もなかった。
私は、ただ一人、茫然とした。あぁ、自分が馬鹿だったんだと気が付いた。
こんな私に何が残るんだろう。本当に馬鹿だったと思う。
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