第2話 最低

 今夜、久々にクラブに行った。名前も何も、全然知らない男と踊った。


無性にしたくなった。あぁ、そういえば、私のこと好きって言ってる男がいたっけ。


 連絡してみるか。「明日、会えない?」


すぐに返事が来た。「会えるよ。どこで会う?どこに行きたい?」


行きたいところなんて、決まってるじゃん。


そう思いながら、「ホテル」と返信した。




 翌日、彼と会うと、彼は嬉しそうに「久しぶり」なんて言って、駆け寄ってきた。


少し前まで、私のことを好きなんて言ってた男は、ホテルに入ると打って変わって、


自分本位に振舞った。何が好きだよ。そう思いながら、一晩中彼と過ごした。


 彼としてる間、ずっと元彼のことを考えていた。元彼の仕草を思い出して、


泣いたりした。彼は、何も気づかず、ただ快感に溺れていた。


くだらない時間だった。元彼のところに戻りたい。ただ、そう思っていた。



 翌朝、彼ともう一度してから、ホテルを後にした。


また会おうね。なんてくだらないことを言われて、そうだね。なんて返事をして、


連絡先を消した。今日は、もう彼氏のうちに帰ろう。ただただ癒されたい。

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