86.火竜の試練・海神の影討伐
『
『ハァイ!来たわよ〜』
『やだ、海神様の影じゃない。同属性だし、防御くらいしか役に立てないわよ?』
「あぁ、それはわかってるから良いんだ。それよりもちょっと相談があってだな―」
先程考えた攻略法をアクアに伝える。すると
『なるほどね、それなら役に立てそうだわ。ここは水の属性が強いから、いつもより力も出せるし』
「なるほどね。って事は、反する属性で包み込んだらアイツの動きも抑えられる…?」
『理屈ではそうね。ただ、この場の属性を変えるのは無理ね。海が干上がってしまうわよ』
「そうか〜。火の属性の子を喚んでも力は半減しちゃうからな。やっぱ雷属性しかないかぁ」
『そうね、水属性なら雷属性で抑えるのが一番よ』
「よし、それじゃさっきのアレよろしく頼む」
『任せて!』
アクアがフワリと浮かぶ。手のひらから水の泡が溢れて、俺たちを包み込んだ。これで水属性と火属性に耐性が出来た。特にマグマがヤバいのでその為だ。
「ナヴィ、アイツの鱗の中で一番脆い部分を教えてくれ」
『はぁーい、そーれっ!』
ナヴィの魔法で鱗が数枚光る。雷属性を付与した矢で光った場所を狙い撃ちだ。部長とカゲ達もそれぞれ光る鱗を狙って攻撃を叩き込んでいく。
アクアには零れ落ちるマグマを冷やして排除する事に専念してもらっている。しばらくすると、鱗に変化がみえはじめた。
「鱗がひび割れてきたにゃ!もう少しにゃー!」
「よし、そのまま叩き割れ!!」
それぞれが鱗に渾身の一撃を叩き込む。すると―
『グギャァァァァァッッ』
苦しそうな咆哮と共に、鱗がバラバラと砕け散り、白い肉が露わになった。あれ、ウナギっぽくて美味そうだな。
「パイセンが食い気を出してきたッスね」
「あぁ〜ほんとにゃ」
「ちょっとー!!まずは倒すのが先でしょー!!!」
すまんネクター。これは仕方ないんだ…!
「確かに美味しそうな白身ですねぇ」
「やっぱり蒲焼ですかね」
「白焼きも捨てがたい…」
「日本酒が飲みたくなりました」
「あら、雪華さんはイケる口なんです?」
「姉はザル通り越してワクと言われてますよ」
「そういや、ヤスナガさんも強いッスもんね」
ヤスナガ達も参戦してきた。こういう話をしていると、口の中がソレになっちゃうんだよなー。コレ終わったらソレっぽい食材探さないと…
「コラー!!!集中しなさーーーーい!」
ネクターから激が飛んできた。いかんいかん、ちょっとトリップしてたわ。
白身…じゃなくて、鱗が剥がれた部分に矢を撃ち込んでいく。さっきより効きが良いな。今のうちにガリガリ削るぞ!!
『グルォアアアアアアッッ』
海神の影が大きく仰け反って口を開けた。よしよし、それを狙ってたんだよぉぉぉ!!!
「いけ!!アクア!!!」
『とびきりのをぶち込んであげるわ!!!』
上空で待機していたアクアが特大の水球を影の口に向かって放り投げた!口から大量の水蒸気が発生している。アクアが水蒸気を避けつつ、口の中にどんどん水を流し込んでいる。
すると、口の中でマグマが冷えて固まり、影の口を塞いだ。よっしゃ、狙い通り!
「パイセン!ヤバいッス!鱗が再生し始めてるッス!」
「やっぱそうきたか!ギリギリまで粘ってくれ!」
影の体力はほとんど無い。このまま押し切ってやる!
「シルバ、アイツの正面まで飛んでくれ!」
『承知した!』
シルバに乗って移動しながら、詠唱を開始する。今回も当然カッコ良さそうなやつを選んできたぞ!
『我が手に集え 天より降りし力よ
手のひらに巨大な雷の槍が出現する。うぉーーーバリバリしてて格好いいぞーー!!!
狙うは影の正面、マグマが冷えて大きく開きっぱなしの口の中だ!
「くらえ!『
口の中に雷の槍を突き立てられた海神の影は、断末魔すらあげられずボロボロと崩れ落ちていった。
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